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浅井教授(筑波大学)のキック講座
遠藤保仁のフリーキック。「インフロントカーブ」を徹底解剖!
公開:2012年4月26日 更新:2020年3月24日
日本代表のMF遠藤保仁選手が得意とするインフロント部分を使ったカーブシュート。2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会のデンマーク戦で決めたフリーキックは世界に衝撃を与えました。今回はその「インフロントカーブ」についてキックのポイントを紹介します。
■鋭角に曲がって落とすインフロントカーブ
外向きに大きな弧を描くように曲げるカーブに対して、体の正面から鋭角に曲がって落とすのがこのキック。ゴール前のフリーキックで壁の上を越して、直接ゴールを狙うのに適している蹴り方です。
◎ボール&足のインパクトポイントについて
「内側に引っ張るように振り抜く」
自分から遠いファーポスト側を狙うときは、蹴り足を外側に振り抜くが、反対にニアポストを狙って蹴るには、インパクトの瞬間にボールを内側に引っ張るような動作が必要。横回転と縦回転が同時に加わったボールは、勢いよく飛び出してから、するどく曲がりながら落ちてくる。
◎キックの動作解説
(1)アプローチ
ゴール前やや左寄りの位置からのフリーキック。ボールのナナメ後ろから前傾姿勢を保って助走する。
(2)バックスイング
軸足を置くのはボールから、ボール1個分離した横の位置。軸足のツマ先を蹴る方向に向けておく。
(3)インパクト
足の甲の内側で、ボールの中心からやや右側の部分をインパクトしながら、左方向に巻くカーブをかける。
(4)フォロースルー
蹴った後は体のバランスを保ちながら、しっかりとボールを押し出すことで、ボールスピードが上がる。
【正面・斜めからのアングル】
◎このキックの名手
遠藤保仁(日本)
メッシ(アルゼンチン)
ピルロ(イタリア)
◎このキックの要素と特徴
◎このキックを使用する状況
「ナナメ45 度の位置から曲げて落とす」
ゴール前のフリーキックで、壁の上を越してニアポスト側を狙いたいときに使われる。相手選手が作る壁の中で、一番低いところを狙って通せば、ゴールまでの距離が短縮でき、決まる確率も上がる。インパクトとカーブのかかり具合は普段からつかんでおこう。
◎キック博士 浅井武のワンポイント解説
「短い助走で決定率が上がる」
南アフリカワールドカップで遠藤保仁が決めたフリーキックは、わずか4歩の助走で蹴られたものでした。助走の距離が長いとコースを読まれるので、なるべく短い助走で蹴るように心掛けましょう。
浅井 武//
(あさい・たけし)
筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。工学博士。研究分野はスポーツバイオメカニクス、スポーツ工学。日本人スポーツ研究者としては、はじめて国際物理科学雑誌『Physics World』に論文が掲載。モーションアナリストとして、また名門・筑波大サッカー部の総監督として多方面で活躍するキック研究の第一人者。
■基本のキックから「曲がる」「落ちる」「揺れる」まで科学的に分析
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文/北健一郎
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