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お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集
サッカーの理解が乏しい子供達にも実践できる!数的同数を崩す為に必要なプレーの原則を理解し実践する練習法
公開:2023年8月19日
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。
前回より、JFA A級指導ライセンスを保持し、長くジュニア、ジュニアユース年代の指導に携わる、ラポームサッカースクール代表の瀬尾大樹氏によるトレーニングを公開している。
テーマは「相手の守備を崩す、2対2の攻略法」。U-8やU-10年代において、数的同数や数的優位のトレーニングを行うと、攻撃側がうまくいかず、シュートまで持ち込めない現象が起きる。
そこでボール保持者、味方、そして相手の状況を観ながら、どのような認知・判断のもとに、2対2の局面を打開していくかについて、トレーニングを実施してもらった。(文・鈴木智之)
数的同数で効果的な斜め抜けとオーバーラップ
指導現場では、選手たちに「よく観て」「考えてプレーしよう」といった声掛けが行われているが、何をどのように観て、どう考えてプレーするかを教えなければ、子どもたちは適切な判断・実行ができないままだ。
そこで「2対2」のトレーニングでは、まず「斜め抜け」というプレーを用いて、状況を打開するプレーを行っていく。
設定としては、ゴールをつけた状況で2対2を実施。シュートは黄色のマーカーを越えたら可能で、守備はボールを奪ったら、両サイドのゴールにシュートかコーチにパスをするというルールだ。
攻撃側のボールでプレーが始まるのだが、スタート時にボールを持ってない攻撃側の選手は、相手守備2人の間を斜めに抜ける動きを行う。これが「斜め抜け」だ。
そうすることで、守備側の選手はマークについたり、パスコースを塞ぐといったアクションを起こさざるを得なくなるので、状況に変化が生まれる。
それに対して、ボールを保持している選手は、どのようにプレーするかをトレーニングしていく。
瀬尾コーチはプレーを見ながら「斜めに抜けよう」「どっちのスペースが空いた?」など声をかけながら「味方が抜けていったコースにドリブルすると、相手の守備にハマりやすい」と説明。
「味方が斜めに抜けたときに、どっちにスペースができる?」と問いかけ、空いたスペースにドリブルすることを教えていった。
味方が斜めに抜けたときに、DFがついてこなければスルーパスが出せる。そのため、ボールを持っている選手は、カバーに位置する2人目のDFの動きを見て、パスとドリブルのどちらを選択するか。またドリブルの場合は、進行方向を判断することが重要になる。
2つ目のトレーニング「2対2 オーバーラップ」では、スタート時にボールを持ってない選手は、味方の背後を回ってオーバラップすることがルール(それ以外は1つ目のトレーニングと同じ)。
このときボール保持者は、味方がオーバーラップした方へとドリブルを仕掛けることがポイントになる。そうすることで攻撃2対守備1の局面ができるからだ。
また、カバーのDFも同じ方へついてきたら、反対側にスペースができるので、そちらへドリブルを仕掛けていく。
状況を観て、プレーを変えることがポイントで、瀬尾コーチは「2人目のDFがどっちに行くかを見よう」「1人目のDFをはがせると、2対1ができるよ」といった声掛けで、選手たちのプレーを導いていった。
トレーニングが進むに連れて、瀬尾コーチが「良いアイデア!」と褒めるなど、原則をベースに共通理解を持つ中で、状況に応じて選手個々が判断し、より良いプレーをする場面が出てくる。
原則を理解した上で子供達が自ら判断してプレーする事が重要
続いての動画テーマは「数的同数を崩す原則を実践」。ここでは、先程と同じオーガナイズで、フリーの2対2を実施する。
前回の動画までの間に取り組んできた、サポート、斜め抜け、オーバーラップに加え、ワンツーの狙いを持ってプレーすることもポイントだ。
ここでは、これまでのトレーニングを踏まえて「(相手の)正面を外れよう」「どっちにスペースがある」「(サポートの)高さを変えよう」「味方が斜めに抜けたけど、上手く行かなかった。それで終わりじゃない。次に何をするかが大事だからね」といった声掛けで、状況を観てプレーすることの重要性を伝えていく。
また「ワンツーのときに大事なのは、受け手がDF2人の間を狙える位置に立つこと」「パターンのように、絶対にワンツーするのではなく、状況を判断してやること」も付け加えていた。
動画では、サポートの幅を調整しながら、DFが食いついてきたところで高さの調整を行い、相手の背後をついてワンツーを成功させた場面が収録されている。お手本として、映像を確認してほしい。
以上でトレーニングは終了。瀬尾コーチは次のように話し、トレーニングを締めくくった。
「今回は試合中によく起きる、2対2のトレーニングをしました。この状況を攻略するためには、実行する技術とポジショニングが関係します。状況に応じて、相手の正面を外れる、幅→高さの順で動くことなど、相手とのズレを生み出します。今回はパターンをいくつか提示しましたが、子どもたちはなにもない状況よりも、相手を崩しやすくなると思います」
子どもたちのアイデア、判断のみに頼るのではなく、考え方を教えることで、もう一歩進んだプレーになることがよくわかる動画だ。
サッカーでよくある「2対2」を攻略するために、ぜひ全容をご覧いただければと思う。
【講師】瀬尾大樹/
3歳からサッカーを始め高校卒業後、社会人チームなどを経て茨城県で指導者をスタートし、今年で指導歴14年。2013年よりDOサッカークラブでスクール、ジュニアユースの指導に携わり2023年5月にラポームサッカースクールを設立。
現在はラポームサッカースクール代表の他、DOサッカークラブジュニアユースU-15監督、茨城県U-15クラブトレセンAチーフコーチなども務める。
日本サッカー協会公認A級ジェネラルライセンス、キッズリーダー、キッズコーチングアドバイザー、タニラダーC級ライセンス保持。
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