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お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集
ボールを扱いながらスペースを見つける対人トレーニング!U8向け、「理屈」よりも「体験」を重視する指導法
公開:2025年3月20日 更新:2025年3月24日
サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-6~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。
前回より、FCトリム代表兼ジュニアチーム監督の宮村正志氏による、「状況を見ながら攻める方向を変えて、ゴールに迫る」をテーマにした、実践的トレーニングを紹介中。
宮村氏は読売クラブ(現・東京ヴェルディ1969)でジュニアからトップチームまで所属し、プロサッカー選手として、湘南ベルマーレ、アビスパ福岡、水戸ホーリーホックでプレー。
指導者へ転身後、FC町田ゼルビアジュニアユース、日テレ・ベレーザ(現・東京ヴェルディ日テレベレーザ)監督、ヴィットーリアスFC(旧三井千葉SC)を経て、現在はFCトリム代表兼ジュニアチーム監督・ジュニアユースチームコーチを務めている。
前編では、基本的なドリブル技術と状況判断の基礎を学ぶトレーニングを紹介したが、後編では実戦形式に近づけた「1対1」と「3対3」のトレーニングを通じて、状況に応じた攻撃方向の変更と、ゴールを目指す判断力の向上に焦点を当てていく。(文・鈴木智之)
1対1で空いている方向を見つける、駆け引きの材料に使う
今回、宮村氏が紹介するトレーニングは「1対1、2ゴール」。このトレーニングでは、守るゴールと攻めるゴールがそれぞれ2つずつ設置されており、子どもたちは状況に応じてゴールを選択する判断力と技術を養う。
宮村氏は「ボールを中心とした1対1を行います。ゴールは2つあるので、どちらのゴールを目指しても構いません。ドリブルで通過すれば得点です」と説明する。
トレーニングはコーチがボールを出してスタート。選手たちはコーンの間を走って戻ってから、1対1を行う。前方にある2つのコーンゴールのうち、どちらかを目指してドリブル通過を目指す。
子どもたちがプレーする中で、宮村氏は「ゴールが2カ所あるから、上手く相手を騙すことができるといいよね」とアドバイス。「右のゴールに行く振りをして、そこから左に行く。左に行く振りをして右に行く」という具体的な動き方を提示。
さらに、ウォーミングアップで練習したフェイントを活用するよう促す。
「例えば、左に行く振りをしてボールを引いて、右に方向を変えるとか、得意なやつをやっていいんだけど、練習でやったフェイントもぜひ使ってみてください」
トレーニングを進めていく中で、「ボールを引いて方向を変える振りをして、同じ方向に行った」「足の裏を使うのが上手い」など、子どもたちの良いプレーには積極的に声をかけ、「ナイス!」「上手い!」と称賛していた。
最後は選手によってゴール方向を同サイドに固定し、前後の動きでゴールに迫る形にトライしていった。

人数が増えると空いてる場所が分からなくなる事もあるが体験重視
続いてのトレーニングは「3対3、4ゴール」。グリッドの四隅にコーンゴールを設置して実施。宮村氏は「3対3だと相手がいっぱいいるので、慌てることがあると思いますが、相手をよく見られるといいかなと思います」と説明。
指導のポイントとしては「どちらのゴールの方が人がいないか」「攻めやすく、点が取りやすいか」など、状況を認知することを促していく。
宮村氏は子どもたちのプレーを見ながら「方向を変えよう」「だめだったら止めるんだよ」などの声かけを行い「こっちがダメだなと思ったら方向を変える。それをドリブルだけじゃなくて、仲間がいるから、パスも使いながら方向を変えていく」「相手をよく見て、どっちの方が点取りやすいかを見て」とアドバイスを送っていた。
宮村氏はトレーニング終了後、「1対1と一緒で、こっちのゴールがダメだなと思ったら反対のゴールに行かなきゃいけないし、こっちがダメだなと思ったら、反対の方に行けるように。そうやって少しずつ、相手が見れるようになるからね」と声をかけていた。
宮村氏のトレーニングに一貫しているのは、「状況を見る力」の育成だ。1対1から3対3へと段階的に人数を増やしていくことで、選手が状況判断を行う難易度を徐々に上げていた。
また、ゴールを2つ設置することで「選択する」という判断を必然的に行わせる環境を作り出していた。
低学年の子どもたちに対して「理屈」よりも「体験」を重視し、失敗を恐れずチャレンジできる環境の中で、サッカーの基本的なスキルと状況判断力を伸ばしていく指導法は、多くの指導者にとって参考になるだろう。
宮村氏のように選手目線で、子どもたちの感性と可能性を引き出す指導法を学びたい方は、「COACH UNITED ACADEMY」で配信中の動画をぜひチェックしてほしい。
【講師】宮村正志/
東京都町田市出身。読売クラブ(現東京ヴェルディ1969)でジュニアからトップチームまで所属、プロサッカー選手として湘南ベルマーレーアビスパ福岡―水戸ホーリーホックでプレーし引退後サッカー指導者の道へ。
指導歴...FC町田ゼルビアジュニアユース、日テレベレーザ(現東京ヴェルディ日テレベレーザ)監督、ヴィットーリアスFC(旧三井千葉SC)、を経て現在はFCトリム代表兼ジュニアチーム監督・ジュニアユースチームコーチ。保有ライセンスは日本サッカー協会公認B級コーチングライセンス。
選手としてプレーしてきた経験を活かし、選手目線での指導がモットー。
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