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■怒鳴るコーチも反省しているかもしれない
スポーツ界や教育現場で体罰根絶宣言がなされてから3年が経ちました。ここ数年は、サッカーのみならずスポーツの指導現場は過渡期。旧態依然の指導から、子どもを本当に伸ばすコーチングへの移行期間なのです。
例えば、私たちも仕事で「今日から違うやり方でやってください」と言われても、「昔のほうがやりやすかった」とか「手っ取り早いのに」などと違和感を感じることがあります。子育てだって、無駄に叱るまいと心で誓っても、気がつけばカッとなる。「ああ、ダメな親」と反省しています。
そう。罵詈雑言コーチも、もしかしたら心の中で反省しているかもしれません。「怒鳴らないと子どもに舐められるかもしれない」と本音を漏らしたコーチもいました。そのやり方で教え子がうまくなったと信じ込んでいるため、強いチームのコーチほど指導スタイルをなかなか転換できません。
ところがそんな人たちも、一度違うやり方で成果を実感すると、驚くほどグッド・コーチに変貌するのです。
そのためには、親とコーチがお互いの背景と思いを受け止めながら、たくさん話し合ってください。そうすればともに「他人のバックグラウンドを思いやれる」大人になれるはず。それはそのまま、あなたがたの「子育ての質」につながります。子育ては、その子の思いの裏側(背景)をわかろうとすることが重要ですから。
「少年サッカーって、大人も学び合う場だよね」
そのようにとらえられる大人がいるクラブは、間違いなく子どもが伸びる場所になります。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。
文 島沢優子
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