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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
試合に出られず意欲ナシ。負けずに頑張れと励ますのは正しいか問題
公開:2020年3月19日 更新:2020年6月11日
■「負けずに頑張れ」がお子さんを追い詰める可能性も
三つめ。
もし、このことについて納得していただけるのならば、お子さんに「君がサッカーを楽しいのなら、それでいいんだよ」と改めて伝えてあげてください。と同時に、「負けずに頑張れ」と励ますのもやめましょう。
お母さんからすれば、今の思うように試合に出られない苦境に負けないでとエールを送りたいのだと思います。ですが、「負けるな」が、本人にとって本当にエールになるのは、自己肯定感がきちんとある子ども自身が「負けたくない」と心から思っているときです。そういうときは親も一緒にファイティングポーズでいいと思います。
今の息子さんは、この言葉によって余計に追い詰められてしまうかもしれません。よって、本人は無自覚のうちにストレスを逃がそうとして、「別に(頑張りたくないし)」とかわしているのかもしれません。
「本当に辞めさせた方がいいのか、判断がつかなくて」とありますが、判断するのは6年生になるお子さん本人です。
お母さんは一切サポートしない。今の息子さんにとっては、それが最良のコミットだと考えます。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
文:島沢優子
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