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楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた
中島翔哉が「楽しい」を繰り返すワケ/「非日常のスポーツ」を日常とつなぐ力を育てよう
公開:2018年10月31日 更新:2018年11月 1日
■「お前のせいで負けた」顧問に否定され続けた高3選手の悲しい結末|子ども達の未来のためにできること
最近の報道で、岩手県の高校3年生になるバレーボール部員が、顧問から「おまえのせいで負けた」「脳みそが入ってない」「おまえは大学ではやっていけない」と否定され続けた末に命を絶ったことを知りました。
小学生から有名な選手で、15歳以下の日本代表として海外遠征にも行き、18歳以下でも代表候補だったそうです。
私は、彼が「スポーツマンのこころ」をはじめ、もっとさまざまな情報を知っていたら、自死にはたどり着かなかったのではないかと思います。
バレーボールを非日常のものととらえること。
バレーボール(スポーツ)は全力で楽しむものだということ。
楽しむことを前提に指導していなかったとみられる顧問を疑ってみること。
楽しめないと感じたら立ち止まるべきでした。二番目に大好きなことがあったらと残念です。欧米のように本人の意思が尊重され、自由に他のスポーツに替えてもいい。それを許す文化を構築するのが日本のスポーツ界の課題と言えるでしょう。
写真は少年サッカーのイメージです。(C)吉田孝光
子どもたちを成長させるツールであるはずのスポーツの現場で、このようなことが起きてしまうのはなぜか。日本の大人たちがスポーツのとらえ方をまちがえているから。だからこそ、私は「スポーツマンのこころ」を伝えているわけです。
現在イギリスのプレミアリーグ所属のリヴァプールFCを率いるユルゲン・クロップ監督は、最近のあるインタビューでこう語っています。
「フットボールの最も重要な役割は、人々を楽しませることなんだ。それ以外の何でもないね。たかが、フットボールだからだよ。私たちは命を救うわけじゃない。手術みたいなことができるわけでもない。私たちができるのはフットボールだけだよ。そこで人々を楽しませられないのなら、なぜプレーするんだい?」
世界ではやはり、日常(ふだんの生活)と非日常(スポーツ=楽しむもの)は大前提として明確になっていると感じました。
「非日常のスポーツ」を日常とつなぐ力を育てることを、ぜひもっと意識してください。
1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜経済大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
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