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楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた
高校野球の投球制限と少年サッカーに通じる「仕方がない」
公開:2019年3月 1日 更新:2019年3月14日
■解明すると都合が悪いことは「仕方がない」で済ませているのかもしれない
仕方がない。
大人がそう話すときは、解明すると都合が悪い。そのことを考えないようにしているのかもしれません。
全く違う世界の話になりますが、1980年代に厚生省(現厚生労働省)が起こした薬害エイズ事件のNHKのドキュメンタリーで、被害者の青年が「なぜ、エイズ感染の危険性を知っていて放置したのか?」と当時の厚生省(現厚生労働省)の生物製剤課長を問い詰めたシーンで、課長が「あれは、仕方がなかったんです」と答えたのを思い出します。
もしかしたら、改革が進まない高校野球でも、さまざまなことが「仕方がない」と考えられているのかもしれません。
目先の勝利に向けて力を尽くす。目先の勝利のためには、エースに投げ通してもらう。仕方がありません。勝つためです。
みなさんのチームでも、何かにつけて「仕方がない」と言ってないでしょうか。
ぜひ、一度考えてみてください。
日本サッカー協会は、こう呼び掛けています。「学ぶことをやめたら、教えることをやめなくてはならない」
そして、スポーツの世界はプレーヤーズファーストでなければならないのです。
目先の勝利ではなく、「もっと子どもたちが伸びるには」「もっとサッカーが楽しくなるには?」ということを考えたいものです。
1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜経済大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
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