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弱小チームのチカラを引き出す! 暁星高校林義規監督の教え
右手を失うと左手で箸を持つ「人はヤバいと思うからやるんだ」
公開:2014年12月28日 更新:2020年3月24日
■練習している子どもを見て認めること
人に与える影響は、人が作る環境にある。
小学生への指導が始まった一方で、高校生はどうなったのだろうか。部を辞めていく生徒が多い中、サッカーがやりたい生徒も少なからずいたのではないだろうか。
「確かに少ないけど何人かは残ってやりたいという生徒はいたよ。そいつらをどうしたかっていうと、最初の小6の子らが中学生になると、それまで一緒に見ていた《小6・小5》が、《中1・小6》と分かれちゃうじゃない。それで小学生のほうが手はかかる。だから俺はもう1年間、小学生を見ることにしたんだよ。だからといって中1を放っておくわけにはいかない。そこで高校生の子らに『お前らが中1の面倒を見るんだ』って、一緒に面倒見させたんだよ」
高校だけでは人数もうまく揃わない彼らを、学生コーチのような形で後輩たちの面倒を見させながら、監督は小、中、高と3つのカテゴリーを指導をするようになったのだ。
「あの頃は大変だったよ。最初の7、8年は休みなんて一切なし。グラウンドがコンクリートだからジプシーで生徒連れて年間125試合くらい練習試合に出かけたしね。とにかくやった。うんと練習させて、うんと走らせたよ。上のやつらは素行も悪くてさ。徹底的に鍛えたよ」
けれどそこは駆け出しで20代前半の教師が言うことである。小学生ならまだしも生意気盛りな都会の中学・高校生は素直に聞いてくれはしなかっただろう。
「確かに聞かないね。まぁ、あの時代だし、俺も若かったから体当たりな部分もあったけどさ。でも、子どもはただ上から目線で偉そうに言ったところで絶対についてこないと思うんだよ。だから俺はあの頃、練習に誰よりも早く来て、誰よりも遅くまで残ってた。とにかく練習している子どもらを見て、認めることだよ。それがさ、最低限の信頼関係じゃねえの。朝練に来いって言っといて、自分が遅れて来てちゃあさ、そりゃあ誰も言うことなんて聞かねえよ」
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