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弱小チームのチカラを引き出す! 暁星高校林義規監督の教え
暁星流メンタルコントロール!目の前のゴミを捨てられること
公開:2014年12月31日 更新:2020年3月24日
■分かり合えなかったことだって、いくらでもある
「まぁ、そういう話っていうのは多くが堀江先生からの受け売りなんだよ。でもその言葉とか、物語、思いは自分のものにしなくちゃ相手には伝わらねえんだ。ただこうして聞いて、ただ同じ台詞を言ってもダメだよ。色んな苦労、失敗があって、そこで『そうか!』って思えて初めて自分の言葉になる。堀江先生が俺たちに話してくれたことを吟味して、咀嚼して、理解して、想像しながらさ、子どもたちにも話してやるんだよ」
やはり林監督も伝統をつなげていく人なのだ。ただそれは、学校という枠だけではなく、人生の先輩、師として伝えていた。
たださ、とその声色は少しだけ哀愁を帯びている。
「伝わらなくて辞めていったやつもいる。嬉しいことだけじゃねえ。悲しかったり、分かり合えなかったことだっていくらでもある。でも良いことのほうが多いと思おうとしてるしさ。まぁ、人間が好きだし。卒業したやつらと一杯飲むときに『あのときのお前のスローインがさぁ』とか、そういう仲間と語れるってのは人生の支えになってるんじゃねえかな」
ガラガラガラ…
ふいに教員室の扉が開く音が響いた。開いた扉の向こうには小柄な青年が立っていた。
「おお! ハルキ! どうしたんだよ!」と、林監督が声をあげる。
「お久しぶりです。帰省したので挨拶にきました」
「そうか! よく来たな。元気そうだな、おい」
林監督が嬉しそうな顔で紹介してくれた。
「こいつは伊東遥輝って言って俺の教え子で、エースだったんだよ。でも3年のときに腰の疲労
骨折で泣いたんだよ」
良い面構えになってるよ、と久しぶりに我が子と会う親父のような顔である。
「ハルキは苦労してるんだよ。こういうやつを取材してやってくれよ」
第8回につづく>>
【大好評!!短期集中連載第3回】弱小チームのチカラを引き出す! 暁星高校林義規監督の教え
取材・文 篠幸彦 写真 サカイク編集部
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