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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

自分は楽しくプレーさせたいのに同じチームのコーチが厳しい! 指導法が違うギャップをどう埋めればよいのか

公開:2017年7月21日

キーワード:コーチングボランティアコーチ池上正

池上正さんが、ジュニア年代を指導するお父さんコーチの質問に答える「池上正コーチングゼミ」。今回は、楽しくプレーさせたい自分と厳しい指導を行うコーチ、チーム内で指導方針が異なるギャップをどう埋めるか悩むお父さんコーチからの質問です。
 
これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんはどのようなアドバイスを授けたのでしょうか。(取材・文:島沢優子)
 
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<<ボールを奪うための準備が課題 相手にボールが渡る前の動きをどう指導すればいい?
 
<お父さんコーチからの質問>
こんにちは。私は4年生以下を見ている指導者です。
 
私は池上さんの指導方法を参考にしており、土日の試合などは1日楽しくサッカーをしてもらう事、4年生の試合でも1年生にゲームを楽しんでもらってます。
 
しかし、私が平日練習に出られないので平日はトップチームのコーチにお願いしているのですが、そのコーチは厳しい指導をしています。
 
トップチームの選手数が少ないので4年生はトップチームと練習をするのですが、 指導方法が厳しく子どもが戸惑ってしまっています。そのコーチの時には表情が暗く、楽しくサッカーが出来ているのかと心配になっています。
 
指導方法がちがうギャップをどのようにフォローしたらいいのでしょうか? ご指導お願いします。
 
 
<池上さんのアドバイス>
子どもたちは大人になるまでの間に、さまざまな人に出会います。それらの経験は、成長段階ではとても大事なものになります。
 
平日に担当するコーチの指導態度は、相談の方がおっしゃる通り問題かもしれません。よってそれが必要とまでは言いませんが、冒頭でお話ししたように、子どもたちにとって無駄ではないと思います。
 

■厳しいコーチの指導にも前向きに取り組めるよう導く

ここは、子どもたちが「無駄ではない」ということを納得してもらえるよう、導いてみてはいかがでしょうか。
 
例えば、こう尋ねてみます。
「平日の練習って、どうですか?」
「君たちにとって必要なことをやってくれてるんじゃないの?」
 
厳しいコーチかもしれないけれど、練習内容やメニューの中身はもしかしたらよいものかもしれない。そこを聞いてみます。。
 
「うーん。必要かもしれない」と答えれば、「だったら、練習に集中してやってごらんよ」と話してください。
 
もし、子どもたちが「つまらない」などと否定したら、「反復練習は、上手くなるためには大事なことだよ」というような方向に持っていったほうがいいでしょう。このように子どもを平日の練習に前向きな気持ちで向かわせることが、相談文にある「指導方法がちがうギャップをフォロー」することになります。
 
子どもは思っていることを素直に口に出すので「平日のコーチは恐くて嫌だ」などと言うかもしれません。相談者ご自身も平日を担当する同僚コーチを快く思っていないかもしれませんが、そのコーチを否定しないほうがいいいいと思います。
 
「いや、○○コーチは厳しいけどさ、間違ったことは言ってないよ」
 
そんなふうにフォローしましょう。子どもたちやその保護者達が「そういうコーチに教わることも経験のひとつ」というふうにとらえてもらえれば、すべてがマイナスにはなりません。楽しくサッカーをする空気にはならないかもしれないけれど、子どもたちが「うまくなれる」と納得して取り組んでいれば進歩はあります。
 

■子どもたちが厳しいコーチを否定しないようフォロー

このように「練習の中身は間違っていないよね」と子どもがとらえられたら、次は「コーチの言う中身も間違ってはいないよね」と考えられるようフォローしてください。
 
例えば、ボールを取り合う場面で子どもが恐がって逃げてしまったら、厳しい言い方をするコーチは「逃げてどうするんだ!」と言いますね。一方で「そこで体をぶつけられなければ、永遠にボールは取れないよ」というコーチもいます。私はどちらかと言えば後者ですが、前者の厳しい方が言うことも間違ってはいません。
 
逃げていたらボールは取れません。言い方が悪いからあのコーチはダメと否定するのではなく、伝え方がいまひとつだととらえてみましょう。つまり、アドバイスは間違っていないけれど、アプローチの仕方(態度=アティチュード)が適切ではないわけです。
 
ただし、最初のほうで話しましたが、指導の中身が正解なら、怒鳴ろうが頭ごなしであろうが良いというわけではありません。では、そのような仲間のコーチの指導を改善するにはどうすればよいでしょうか。
 

次ページ:厳しいコーチへの伝え方


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文:島沢優子

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