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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
【特別寄稿 前編】日本サッカーに足らないもの~ハリルジャパンの現状から見える育成の課題
公開:2018年4月 6日
■『監督の仕事は試合前に終わっている』-イビチャ・オシム
しかし、同じアドバイスを、池上さんは2003年にジェフ千葉が練習場にしていた姉崎グラウンドの隅で聞いているそうです。
「池上、とにかく、子どもたちには試合させろよ」
その後日本代表を率いることになるイビチャ・オシム監督の言葉でした。
「サッカーだけでなくすべてのスポーツが、ゲームをやらないと試合に使う体力はつかないと、オシムさんは話していた。単にランニングをして走り込むだけでは運動量は増えない、と」
そのオシムさんの矜持を継ぐように、連動したサッカーを具現化していたのが、昨年のJユース杯でガンバ大阪を下し16年ぶりに優勝した京都サンガです。
試合終了後、テレビ放映の解説者は「(京都は)全員がスーパーハードワークをした。前半からすごい運動量だったので、後半が(バテないか)心配だったがやり切った」とコメントしていました。
それを聞いた池上さんは「京都の選手がやったことがそもそも世界の基準。それなのに、スーパーハードなどと言ってしまうから、あれは特別なことで他の選手にはできないことだと捉えられてしまう」と首をひねります。
池上さんの千葉、京都の元同僚でもある岸本浩右監督の姿も特別視されました。ベンチ前で声を張り上げる指導者が多いなか、試合中ずっと座ったまま戦況を見守ったからです。
岸本監督はその理由を「オシムさんから『監督の仕事は試合前に終わっている』と言われた。僕が立ってわめいて指示を送ったりするというのは、この1週間準備をしてこなかったということになる。彼らのミスは僕のミスですから」と当然のように話しました。
育成年代から連動することの重要性を理解させるには、どうしたらよいのか。後編でお伝えしたいと思います。
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