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U-10でどこまで守備戦術を教えていいの? 指導のコツがあったら教えて

公開:2020年5月29日 更新:2021年1月 9日

キーワード:ゾーンディフェンスディフェンスパスコースマンツーマン守備戦術長友佑都

U-10年代でどの程度まで守備を教えれば良いもの? と少年団のコーチよりご相談をいただきました。

まだまだボールを追いかけるような年代ですが、皆さんチームではチームディフェンスなども指導していますか? いつ頃からどういう風に守備戦術を教えたら良いのか。

これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが指導者の皆さんに、ディフェンス強化のためのおすすめの練習などアドバイスを送ります。(取材・文:島沢優子)

池上正さんの指導を動画で見る>>

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(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

 

<<新型コロナで活動停止からチーム練習を再開する時の注意点を教えて

 

<お父さんコーチからの質問>

はじめまして。少年団でU-10年代を指導しています。

守備についての質問なのですが、この年代ではマンツーマンの対人守備が主流かと思いますが、守備戦術についてどの程度まで教えていいものか迷っています。

少年団でまだまだボールを追いかけるような感じなのですが、ゾーンディフェンスパスコースを切るやり方はどの年代から教えていけばいいでしょうか。

指導のコツなどもあれば教えてください。

よろしくお願いいたします。

 

 

<池上さんのアドバイス>

ご相談、ありがとうございます。

サッカーに限らずですが、スポーツの指導というものは、その方の生き方というか、価値観そのものが実は如実に表れるものだと私は思っています。例えば、サッカーでどんな試合をするのか。勝つにはさてどうする?と、私が問われれば、常に前を向いて相手に挑んでゆくサッカーをしてほしいと考えます。

相手よりもたくさん点を取って勝つ。そこに楽しみがあります。それが私の「生き方」でもあるわけです。引いて、守ってから、大きく蹴ってカウンター攻撃では面白くない。したがって、子どもたちにも「入れられたら、入れ返せばいいよ」と話します。

負けてしまった試合のあとで「どうだった?」と尋ねると、子どもは「マークをちゃんとできていなかった」「相手のフェイントに抜かれちゃった」などと守備面の反省をたくさん口にします。

そういうときは「また取りに行けばいいじゃない。自分たちが点を取るために取り返しに行けばいいんだよ」と話します。そこには、私の生き方が色濃く表れています。

 

相手がボールを持っていたら奪ってやろう!というマインドだけを教えれば良い

小学生の守備は、ご相談者様が書かれているようにマンツーマンが主流です。

「いま、君はだれをみてる?」

このことに集中してもらいます。カバーリングよりも、目の前の相手がボールを保持していたら、それを奪ってやろう!というマインドだけを教えれば良いのです。取りに行って抜かれても構わない。抜かれたら、また取りに行けばいいのです。

長友佑都選手がインテル時代に、ある試合でのプレーを見て「なるほどなあ」と感心したことがあります。

長友選手はサイドバックですが、試合中にハーフウエーラインあたりでミスパスをしました。すると、ボールを奪った相手選手を、逆サイドのペナルティーエリア付近まで追いかけて行ったのです。

自分がミスパスをして相手にボールを取られたので、長友選手は、逆サイドのペナルティーエリア付近まで追いかけて言ったのです。自分のミスをカバーするためにです。

まさしく、そんなことを子どもたちにもできるようになってほしいと思います。自分のエリアではない。マークでもない。でも、取りに行くことがすごく大事。その意味からいえば、ご相談者様がおっしゃる「まだまだボールを追いかける感じ」でまったく問題ありません。その気持ちを育ててあげることをまずは一番大切に考えてください。

 

U-10ならチームディフェンスより目の前の相手に負けないようファイトすることが大事

また、ゾーンディフェンスやパスコースを切るやり方はどの年代から教えていけばいいか? という質問ですが、それを大人が先回りして教えてしまうとあまりよくありません。責任が薄まると言うか、あいまいになってしまいます。自分が抜かれたことで失点したのに、カバーに行かなかった仲間を責めたりしがちです。

指導しているお子さんは10歳以下なので、小学4年生でしょうか。その年代はカバーやチームディフェンスよりも、目の前の相手に負けないために精一杯ファイトすることを指導の際は強調してください。懸命に追いかければ、相手はミスをする。例えば、ボールコントロールが大きくなって、そのボールをほかの味方がとってくれる。そんな経験を積むことが重要です。

もっといえば、もし、自分が失ったボールであれば、そこまでやりきることをより徹底してください。

10歳以下のチームで、全員がそんなマインドを持って動ける選手ならば、すごく面白くなるでしょう。どうか卒団するまでそのようなマインドを消さないよう、育ててあげてください。

もうひとつお伝えするとしたら、この年代の間に、自分からボールを取りに行くことを学ばせてほしい、ということです。そのような指導をしていくと、ディフェンス能力がおのずと上がってきます。

池上正さんの指導を動画で見る>>

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文:島沢優子

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