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U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014特集
世界的指導者集団がジュニアサッカーを分析!バルサ×鹿島
公開:2014年8月30日 更新:2015年7月22日
■アントラーズのプレッシャーは有効だった
「アントラーズジュニアのプレッシャーがアグレシブだったことも前半バルサが思うようにボールを運べなかった要因です」
ポールコーチはアントラーズジュニアの守備、特に激しいプレスはバルサに対しても有効だったと言います。
「厳しくプレッシャーをかけに行くことで、バルサの選手たちがボールを前に運びづらい状況を作っていました。前半もストライカーの9.パブロ・モレノが高いDFラインの裏でボールを受けようと試みましたが、なかなかパスが出てきませんでした。これはアントラーズが積極的に守備をした結果と言えます」
「でも」ポールコーチが続けます。
「バルセロナにはこの状況を打開する方法がありました。MFの6.モリバ・コーロマが試合中にCB陣に要求していたことがまさにそれです。CBがボールを持ったときにモリバはしきりに『前に運べ』と指示を出していました。CBが勇気を持ってボールを前に運べばマークをはがして攻めることができたはずです。前に出るリスクを恐れ、無難なプレーを選んでしまったのは少し残念でした」
■ポールコーチのインプレッション。今大会のバルサは?
前回大会、大きな衝撃を与えたバルセロナ。今大会のバルサはどんなチームなのでしょう? ポールコーチは今回来日しているチームに対しての印象を次のように話してくれました。
「前回のチームのタレントは確かにすごかったです。日本のみなさんが驚いたのも無理はないと思います。前半の問題点を挙げましたが、今年のチームもやはりバルサであることにかわりはありません。ゲーム理解度は高く、タレント性もある。11人制へのフィットで言えば、昨年同様大会中に改善されていくと思います」
バルセロナのサッカーの最も大切な部分と言っていい「幅の広さと縦の深さ(コラム参照)」は、7人制から11人制に移行するタイミングで「意識すべきこと」から「常にできること」に変わっていくとポールコーチは言います。
「12歳以下のチームの選手たちは、11人制のサッカーのオーガナイズに慣れて、幅と深さを当たり前に意識し続けることを監督に要求される段階です」
対戦相手と比べれば十分にピッチを広く使っているように見えるバルセロナに、ポールコーチが「慣れていない面がある」指摘するのにはこんな理由があるのです。
「試合の中で修正できたのはタレントがある証拠」
ポールコーチは試合中に自分たちの課題を自ら考えて修正したバルセロナに期待を込めて言います。
「11人制のサッカーに慣れてくればもっと良いサッカーできます。昨年同様に大会が進むに連れてパス回しのスピードも上がってくるはずです」
打倒バルサを公言するチームを相手にどんなサッカーを見せてくれるのか? 大会初日にアントラーズジュニア、アルディージャジュニアを下したバルサ。大会が進むにつれてどのように仕上げてくるか、注目です。
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取材・文・写真/大塚一樹
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