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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2023
上田綺世らを輩出、世界に羽ばたく選手育成を目指すマルバが「勝ち負けの前に」大事にしていること
公開:2023年9月15日
先日開催されたU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで、昨年の優勝チームとして、大会前から注目を集めていた、malva future select。
予選リーグを2位で通過すると、ラウンド16でSORISSO SELECTにPK戦の末、敗れました。
昨年同様、攻撃的なスタイルで大会を沸かせたmalva future selectの浅野智久監督(以下、浅野)に、試合中に送ったアドバイスやマルバが目指す育成などについて話を伺いました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)
<<関連記事:今年も熱い試合がたくさんあったワールドチャレンジ2023を振り返る
■コーチに何か言われるのを待っているのはマルバの姿勢ではない
――大会を通じた感想を聞かせてください。(SORISSO SELECTにPK戦で敗退)
浅野 チームとして、ちょっとずつ良くなってきていました。マルバらしさって何だろうと、昨日もずっと考えていたんです。結論としては、少し感じを変えたいなと思っていました。ただ頑張るというよりは、自分たちで感じて、狙いを持ってプレーする形にしたいなって。
ラウンド16の試合前に練習をしたのですが、そこでは子どもたちがコーチに頼りすぎている空気を感じたんです。コーチからなにかを言われるのを待っていたので「マルバって、そういうのじゃないよね?」と話をしました。
「もっと自分たちで感じて、どうやったら点を取れる、どこを狙っていく? どこが危ない? じゃあどうするっていうのが俺らのサッカーだから、それをやろうよ」という話をしました。「勝ち負けの前に、まずはそれを目指さないと駄目だよね」って。
――その成果か、かなり相手を押し込んでいましたね。
浅野 ポジションを4-2-2-2にして、流動的になるようにしたんです。その方がマルバっぽいから、もっと自由にプレーしようという話して、試合に入ったら、結構良かったんですよね。
PKで負けてしまいましたけど、世の中の人にもっとマルバのサッカー、フットボールを見てもらいたかったです。それは僕らが見せたいというよりは、周りの人たちに必要なことだろうと思っているので。その部分はもったいなかったですが、やれるだけのことはやりました。
■上田綺世は、監督が要求することに応えつつ点を取ることにこだわったから今の活躍がある
――この経験を、選手たちにどう今後に活かしてほしいですか?
浅野 マルバからプレミアリーグに行く選手であったり、バロンドールを出すことを目標にしているので、そこを目指してほしいです。この前もOBの上田綺世と話をしていて、いまお話したようなことを、あいつにもずっと言ってきたんですね。彼も「自分の特徴や、自分に何ができるかが、プロにつながった」と言っていました。
監督が要求することに応えつつ、ストライカーとして点を取ることにこだわってきて、その結果がベルギーリーグで22ゴールですから。「それもマルバと一緒に成長してきたことだね」って話をしたんですけど、今いる選手たちにもそこは求めたいです。そこに到達するイメージは湧いているので、そうなってくれたらいいなと思っています。
■選手たちはどう感じたのか
試合後、選手たちに話を聞きました。(予選リーグ2試合目 FC PORTA戦後)
インタビューを受けてくれたのは郷内煌生くん(10番)、松原龍南くん(5番)
■初戦は緊張していつものプレーができなかった
――1試合目は横浜F・マリノスプライマリーに0-1で敗れました。試合の感想を聞かせてください。
郷内 どっちに転んでもおかしくない状況だったんですけど、コーナーキックの1点で勝敗が決まってしまったので悔しいです。みんな緊張していて、自分たちがいつもやっているプレーができなくなって、そのときに失点してしまったので、焦って点を返せずに負けてしまいました。
松原 1試合目は少ししか出ていないのですが、外から見ていて、攻める人数が少ないなと思いました。後半は相手に攻められていたので、こっちが攻めに行くときの人数が少なくて、点を決められませんでした。
――2試合目のFC PORTA戦では、郷内選手がフリーキックから2点決めました。キックは得意なのですか?
郷内 はい。相手のGKが大きくはなかったので、良いコースに蹴れば入るかなと思って蹴ったら入りました。
――2試合目は、どのような感想を持っていますか?
松原 前半は点を取ることができなかったけど、自分たちのペースだったので、後半に入って点を決めることができたので良かったです。みんなが積極的に仕掛けていたので、ファウルをもらうことができて、(フリーキックからの)点につながったと思います。
■チームのために自ら志願してバックラインを修正
――2試合目は郷内選手が自分から、監督に「後ろのポジションをやった方がいいと思う」と言ったそうですね。
郷内 はい。1試合目はみんな緊張していて、バックラインがしっかりできていなかったので、僕が入って修正しようと思いました。自分としては、勝利に貢献することを考えていて、チームの攻撃が足りているようだったら守備に入ったり、守備が十分だったら自分で点を決めにいくことをしたいと思っています。
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