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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2024

「普通では絶対にできない経験ができた」初の女子選抜チームが、バルセロナ相手に健闘!

公開:2024年9月 5日 更新:2024年9月20日

キーワード:なでしこ選抜バルサバルセロナワーチャレワールドチャレンジ

8月に行われた『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。予選リーグでFCバルセロナと対戦したのが、JSWCなでしこ選抜です。

12回目を迎える今大会、初結成された女子選抜チームは、バルセロナと試合をし、何を感じたのでしょうか?

バルセロナ後、倉原穂奈美監督に話をうかがいました。
(取材・文:鈴木智之/写真:新井賢一)

 

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大会初の女子選抜チームは予選リーグでバルセロナと対戦 写真:新井賢一

 

<<ワーチャレ記事:「試合だけ頑張る」じゃダメ、全国優勝経験を持つレジスタ中城監督が試合後選手たちに語ったこと

 

■バルサ戦に18人全員を起用

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倉原穂奈美監督(C)新井賢一

 

倉原穂奈美監督

――今回、初めて女子チームがこの大会に参加しましたが、どのような経緯で監督になられたのでしょうか?

もともと私はバルサアカデミーでコーチをしていまして、運営しているアメージング社から声をかけていただきました。お話をいただいた時は、正直不安の方が大きかったです。というのも、他のクラブは厳しい予選を勝ち上がってきて、地区の代表として参加しています。そのような強いチームを相手に、女子のみで戦えるのかという心配がありました。

 

――予選リーグにはジェフがいたり、バルサがいたりと、ある意味すごく良いグループでした。

そうですね。他のグループにいても、バルサと試合ができる確率は非常に低いと思うので、戦えたことは良かったです。

 

――バルサ戦(0-4)を振り返ると、特に前半は守備も頑張り、キーパーも止めていました。感想を教えてください。

全員にバルサ戦を経験してほしいという思いから、18人全員を起用することにしました。前半にベストメンバーをぶつけて、どこまで戦えるかを試しました。想定としては、ボールを保持される時間が長くなるだろうと思っていました。

前日のジェフ戦で、男女の体格差があることは、選手たちも感じていたので、それを踏まえて、しっかりプレーできたと思います。グループリーグの最後にバルサと戦えたことは、成長の最高点で試合ができたという意味で、良かったと思います。

 

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■男子のトップレベルと戦う機会は、この年代がラストチャンス

――バルサとの試合に向けて、どんな話をしたのでしょうか?

体格やスピードで勝てない相手には、ボールを持っていないときの準備や、判断のスピード、ボールを離すスピード、動かすスピード、パススピードでしか差をつけられません。スピードで引き離されることは分かっている相手なので、それにどう対応するか。選手たちに準備をさせ、意識するよう指示しました。前半(0-1)は、うまく戦えていたのではないかと思います。

 

――ビルドアップから前進の場面で剥がされたり、ついていけない場面もありました。ある程度、やむを得ないところもあったのではないでしょうか?

そうですね。体格や筋力ではかなわない相手ですから。全国大会のように、予選を勝ち上がってくるチームは、体格のしっかりした選手が多いです。小柄な選手もいますが、チームに2、3人という感じです。そういった選手とは戦えても、女子の場合、大きな選手と戦うのは難しかったです。

 

――今回、女子選抜チームという、大会初の試みでしたが、どのような感想をお持ちですか?

普通に生活していたら、バルサと戦うなんてありえないですよね。この大会はフェスティバルとはいえ全国大会で、みんな優勝を目指して真剣勝負をしています。女子は年齢が上がるにつれて、女子だけのチームに入ったり、女子としかトレーニングマッチをしなくなります。その意味で、男子のトップレベルと戦う機会は、この年代がラストチャンスかもしれません。彼女たちにとって、自分がどこまでやれるかを試す、いいきっかけになったと思います。

 

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■この衝撃を忘れないでほしい

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バルサの戦い方は女子にも参考になると監督は言います 写真:新井賢一

 

――この試合で感じたことを、選手たちにどう活かしてほしいですか?

昨日、ジェフと試合をしたのですが、選手たちは「ジェフよりもバルサの方が戦いやすかった」と言っていました。ここが世界との差なのかもしれませんが、ジェフは点を取るために、強引に突破してきたりと、フィジカルの差を使ってきました。

でもバルサは丁寧で「ここは五分の状況だ」と思ったらそこは使わず、ポゼッションをして相手を集めて、優位な状況を作ってから突破してきました。こちらとしても、やられている理由は分かっているんだけど、そこに行かざるを得ない場面を作り出してきます。そして、きれいな形で崩されてしまいました。

選手たちにも伝えたのですが、これは女子でもできることだと思うんです。ポジション取りなどは、男女関係なくできる部分です。だからこそ、絶対に持ち帰ってほしいし、この衝撃を忘れないでほしいですね。

 

■普通ではありえない経験

――監督として、この大会で得たもの、今後の指導に活かしていきた部分はありますか?

私自身もバルサアカデミーでコーチをしてるので、バルサと戦えたのは大きな経験です。今後選手たちに「バルサの選手はこうやってた」と具体的に教えられますから。バルサの選手は準備も早かったし、ポジション取りや体の向きもよかったです。

「日本だと、ファーストタッチを奪えって言うけど、実際はファーストタッチじゃ奪えないんだよ」と説明することができます。この経験は私だけでなく、選手たちにも、保護者にもすごく衝撃的だったと思います。

もし将来、この中からヤマルやファティのような選手が出てきたら、「あの選手のシュート、私が止めたんだよ」って言えますよね。「あの選手にファールされたんだよ」って。こんな経験、普通じゃありえないですから。選手たちも絶対忘れないと思うので、しっかりと今後に活かしてくれることを期待しています。

 

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