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「超弱いチームでも強くなるよ」と語る監督が実践した、選手がよく伸びる指導法
「個性を生かす」「特長を伸ばす」の真義<後編>
公開:2018年4月12日
■ひとりひとりの個性を磨いて、咲かせることが指導者の役目
パスを禁止したケースもありますよ。最近はポゼッションサッカーが流行っているから、ボールを受けたら無条件にパスしようとする選手が多いんです。相手と同数なのにずっとパスを回していたら、永遠に同数のままですよ。ワンツーとかスイッチとかクロスオーバーとかウラを取るとかして相手の背後に進めばいいんだけど、相手がしっかり守っているエリアの中でボールを回しても、何も打開できない。パス数が多くなればなるほどミスする可能性も高くなる。
だから同数の状況を変えるために、打開するドリブルが必要になる。足技で惑わせて相手を置き去りにすれば、数的優位の状況がつくれる。
それに、パスだけで相手を崩すためには、パスを受ける人は二度と同じ場所で受けない。パスを出す人も二度と同じ場所に出さない。それくらいの意識が必要になる。それを組織で出来るようにするのはとても難しいから、そういう場合にはドリブルはある意味、手っ取り早い技術なんですよね。
みんな磨けばモノになる原石なんです。ひとりひとりの個性を磨いて、いままで満足にプレーできていなかった選手を「咲かせる」のが僕たち指導者の役目ですからね。
<次回に続く>
朴 英雄(パク・ヨンウン)
1960年6月12日韓国大邱(テグ)出身。韓国高校サッカー常備軍メンバー選出、嶺南大学体育教育学部卒。
1992年、大分市サッカー協会に招聘されて大分市トレセンチームを率い、第11回京都招待中学サッカー大会で優勝。翌年から大分高等学校サッカー部の指導に携わる。
1996年、第3回FBS杯高校サッカーチャンピオン大会で市立船橋高校を下し優勝。
全国高校サッカー選手権全国大会8回出場、うち2001年度大会ベスト8、2011年度大会3位。インターハイ全国大会出場8回。
韓国陸軍将校の経歴や独自のサッカー観と指導理念から「異色の監督」と呼ばれ、選手のポテンシャルを最大限に引き出すことに定評がある。
2016年11月、大分高校サッカー部監督を退任。
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