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子どもが心からサッカーを楽しむための「サカイク10か条」
「子どもの力を信じて、先回りせずに見守ろう」の真の意味。 改めて考えたい、子どもの力と親自身のこと
公開:2018年4月23日
■子どもの自立を促すための、夫婦関係の重要性?
高峯さんは、「こうしたことを実践するためにも、まずは夫婦関係を見直してはどうでしょうか?」と言います。少し意外かもしれないですが、親と子どもの距離感を考える上でとても大切なことのようです。
「母親も父親も、子育てということにおいては対等な関係ですよね。夫婦関係はもちろん、外の人が口を挟むことではないのですが、子どもとどのように関わっていくかを考えていくためには、夫婦できちんとコミュニケーションを図って、互いの価値観をすり合わせていく必要があるのではないかと思います」
高峯さんはこの「夫婦のコミュニケーション」の重要性を強調します。母親も父親も、それぞれの親の元で育ってきた環境や、周囲の大人との関係の中で成長してきた経験があるために、子どもとどのように接するかという価値観は、得てして異なるものです。でも、本当に我が子の成長を考えるのであれば、両親が同じような方向を見ていないで子どもと接していては、彼らにとっては弊害となってしまうかもしれないのです。
だからこそ、どちらかが子どもに「ああしろ、こうしろ」と言い過ぎてしまっていると感じたら、「自分で考えて始めるまで待ってみよう」と、あれもこれもと先回りして準備するような関わり方が見られたら、「もう少し放っておいてあげてもいいんじゃないかな」と、「他の子はこれができる」とか「○○くんの親から、これをしてないの? と言われた」という話があったら、「じゃあ、うちの子がどんなことをしたいのか聞いてみよう」というように、相手に伝えてあげるといいのではないでしょうか。
子どもには子どもの人生があると言いましたが、親にも親の人生があります。「もし、『子育てが趣味』となってしまっているようなら、子育て以外に楽しめるものを見付けることも、子どもとうまく距離を取れるようになるかもしれません。それに、仲の良い夫婦関係であれば、それを見た子どもも幸せな気分になれますよね。子どももそういう姿を見て育って、いずれ親になりますからね」
夫婦が同じ方向を見て子どもと接するようになり、子どもといい距離感を保てていれば、子どもから自然に親の方へと歩み寄って来るようになります。「もっとうまくなるためにこれをしたい」とか、「今度はこういうことにもチャレンジしたい」とか、子どもが自ら「やりたい」という思いを伝えてきたら、その時こそ、サポート役としての親の出番です。それまで親は、ジッと見守っていてあげることが大切なのです。
「社会生活のルールなどを伝える時には当然親の強制も必要です。でも子供にやらせることだけではなく、『どうしたら自分でやりたいという気持ちになるのだろう』と考えること。親は、子どもに何かを与えるよりも、子どもが自分でやりたいと言えて、しかもそれが出来る環境を作ってあげる方向にもっともっとエネルギーを注いで欲しいですね。それはとても難しい事だと思います。むしろ何かを与えてしまう方が簡単です。でもそこできちんと考えて子どもと接してあげることこそ、親がしなくてはいけないことですよね」
ギリギリまで手を出さずに放っておく。夫婦で子どもとの接し方のコミュニケーションを図る。高峯さんの言葉から感じるのは、子どもの自立には、何よりも親の自立こそが必要なのだろうということでした。
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