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- 「一度折れて這い上がることに慣れていた方が強くなれる」中村憲剛
■折れてから這い上がることに慣れている
――少年時代に苦労した、または努力したエピソードなどはありますか?
基本的に上手くできた人生じゃないです。苦労が多い方が人間として強くなるのではないかな。なので、ぼくの場合は心が折れるのに慣れているというか、折れてから這い上がることに慣れている。苦労せず順風満帆にやってきた人は、心が折れたときに弱い。ずっと良いことに越したことはないけど、どこかで心が折れることはあるでしょう。
――中村選手が初めて"折れた"のはいつ頃ですか?
小6。関東選抜で、他の地域の子と一緒にやったのですが、完全にへし折られましたね。上手いし速いしデカいし強いし、みたいな。東京だったら自分はまあまあの存在だったけど、井の中の蛙だった。それで、"偉そうにJリーガーになるとか言っていられないな"と。"ああ、こういう選手がJリーガーになるんだな"と思いました。
――小学生時代には全国大会の出場経験があると伺ったのですが、逆にそこではそういった挫折というか、衝撃はなかったのでしょうか。
全然なかったです。全国大会に出たのは5年生のときで、上の学年にぶら下がって出場したという感じで。レギュラーだったけど、中心選手は6年生で、そういう人たちが中心になって頑張るチームでした。
――その経験を経て小6となって、主力として活躍した訳ですね。
チームで一番になって、東京選抜にも入っていて、そこでもそれなりにできていて、関東選抜にも入れて。ただ、東北とか北海道とか、関西、九州、東海の選抜は、とにかくすごい奴らばっかりで。正直「はやく帰りたいな」と思いました。みんなデカいんだもの。それでもって速い。おれは136cmだった。あのときが一番ショックでしたね。誰がどこの選抜かも、どことやっているのかもわからなかったけど、とにかく凄かった。
――その衝撃を受けたあとはどうなるのでしょう。
失意の3年間を過ごすわけですよ。その選抜が小学校の終わりのほうだったんですけど、"中学で身長も伸びるだろう"と思っていました。ただ、全然伸びなくて。そこで面白くなくなって、一度サッカーから離れました。自分に失望したというか。小学校卒業時が136cmで、高校入学時に154cm。前から2番目とか1番目とかでしたからね。
――期待していたけど身長も伸びず。でも高校でやろうと思ったのはどういう理由からなのでしょうか?
"もう1回頑張ろう"と思ったんですよね。サッカーが好きだったし、小学校のときに打ち込んでいたから。それと、高校サッカーがものすごく好きで、よく見ていたんです。あの舞台にあこがれていた。
けど、その時点で行ける所が久留米しかなくて。久留米も自分が入る6年前くらいに(全国に)出ていたし、都立では一番でした。自分が出れないかもしれない強豪校に入って、サッカーにもう一度のめり込みたい。その思いが強かったです。
【汗の分だけ、成長できる】
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取材・構成/竹中玲央奈 写真/武山智史
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