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不安定で不確実な社会を生き抜くスキルの身につけ方
社会で求められる「コミュニケーション力」の本質とは? 口数が少なくてもコミュニケーション能力は高められる
公開:2019年2月18日 更新:2019年2月21日
2020年に大学受験改革を象徴とする大教育改革を控える日本では、この年を契機に〝賢さ〞の中身が大きく変わります。
これからの子どもたちには、親世代が経験しているような、記憶力や知識を基に「正解」早く見つけ出したり、テストの点数を競うだけではなく、いろいろな人を納得させられる答えを自分で導き出す思考力が問われます。
本連載では「自分で決められる賢い子供 究極の育て方」(KADOKAWA)から、10年後の社会を賢く生き抜くために、子どもたちが身につけておくべきスキル(ライフスキル)についてお伝えします。
教育の場でも重要なワードとなっている「非認知スキル」は、スキル=技術なので、親の学歴や経済力、生まれ持った資質や才能、特質ではなく、後天的に習得が可能なのです。
■コミュニケーション能力とは、明るく社交的という意味ではない。口数が少なくてもコミュニケーション能力が高い子はいる
経団連が毎年発表している「新卒採用に関するアンケート調査」では、「採用選考にあたって特に重視した点」として16年連続で「コミュニケーション能力」が1位に挙げられています。
しかし、少子化が進む日本では、ひとりっ子が増えています。共働き世帯の増加に加え、兄弟、姉妹と関わり合うことで得られていたコミュニケーションもなくなってきています。加えて、生まれたときからスマホ、SNSなどがあるのが当たり前の環境で育った子供たちは、お互いに顔を合わせてコミュニケーションを行う機会自体が減っています。子どもたちにとってコミュニケーション能力を養うのが難しい時代というわけです。
ちなみに、コミュニケーション力とは一体どんなスキルを指すと思いますか?
多くの方が、明るく社交的で会話がポンポン弾む人、と思っているかもしれません。もしくは周囲とうまく協調できる人、相手に迎合することがコミュニケーションだと思っている方もいるでしょう。
本来のコミュニケーション能力、そしてこれからの多様性が進み「正解が一つではない」不確実な社会で求められるコミュニケーション能力とは、自分の考え方をしっかり相手に伝えたうえで、相手の考えを知り、意見を交換する双方向のやりとりです。
それほど口数の多くない子でも相手の立場を理解して言葉を受け止め、しっかり自分の意見を伝えることができるのであれば、コミュニケーション能力があるということです。
ですので、「うちの子大人しいから......」とご心配している親御さんも、スキル=技術として身につけるサポートをすることでお子さんのコミュニケーション能力を伸ばすことができるのです。
■デジタルネイティブな時代に生まれた子どもたちの「相手との距離感」の身につけ方
LINEやメール、SNSのコミュニケーションに慣れたデジタルネイティブ世代は、相手との距離の取り方に悩むケースが多いようです。
いいコミュニケーションは、波風を立てず、うまくその場をやり過ごすこととは違います。
「コレを言ったら盛り上がってる空気に水を差すかな」と間違った空気の読み方をするのではなく、ときには厳しいことでも、自分が正しいと思うことをしっかり伝えることが必要です。
■本田圭佑、長友佑都らに見る海外で成功するために必要なコミュニケーション能力
海外でプレーする選手たちが成功の秘訣として、サッカーの技術より重要と語るのが、「コミュニケーション力」です。
強豪国の代表クラスにも物怖じせず身振り手振りを交えて自己主張をする本田圭佑選手と、日本式の〝お辞儀〞で人気を博し、ファンからもチームメイトからもインテルの一員として認められた長友佑都選手。
子どものころから自分の意見をはっきり言うので「ずっと変人扱いされてきた」という本田選手は、海外に活躍の場を求めてから、「自分は間違っていなかった」という思いに至ったそうです。
一見真逆なキャラクターの2人ですが、ともにイタリア語を積極的に話し、監督やスタッフ、選手たちと本当のコミュニケーションを交わしていたからこそ活躍できたのです。
■コミュニケーション能力は親子間のやり取りで引き出せる
子どもたちの「コミュニケーション力」を引き出し、高める方法で有効なのは「問いかけ」です。親のいいたいことを一方的にしゃべり、最後に「そうでしょう?」と問いかける。こんな会話を繰り返していても子供たちのコミュニケーション力は育ちません。
「どんな答えも正解」
「わからないも正解」
「答えを受け止める」
そのようなスタンスで、子どもが自分で考え、自分で選択するような質問を意識して、答えに対して会話が続くようにしていけば、いつの間にか「自分で考え、決断して動く」が当たり前になっていくのです。
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