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知らないと損!子どもの「悪い姿勢」がプレーのスピードを遅らせている

公開:2016年11月21日 更新:2020年3月24日

キーワード:スピードタニラダーフィジカルラダートレーニング姿勢谷真一郎走り方走力

ヴァンフォーレ甲府のフィジカル・コンディショニングコーチとして、18年以上にわたりJリーガーを指導してきた谷真一郎氏。スピードアップ、アジリティ強化の専門家でもあり、自身のメソッドを活かして作成したラダートレーニング「タニラダー」は、育成年代を中心に様々なクラブで活用されています。今回は日本の多くの子どもが陥っている「姿勢」の問題について、12月に発売となる「タニラダーADVANCED DVD」の内容から解説してもらいました。(文:鈴木智之)
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■167cmの選手がプロで活躍できた理由とは?

多くのJリーガーもタニラダーや谷メソッドに影響を受けていて、J2の日本人得点王に輝いた経歴を持つ長谷川太郎氏(写真右)は「谷さんには、ユース年代からプロになるまで指導をして頂きました。タニラダーのおかげでクイックな動きやアジリティに自信を持つことができました」と語り、柏レイソルやヴァンフォーレ甲府などJリーグで300試合以上出場した杉山新氏(写真左)は「FWからDFにコンバートし、1対1に弱かったのですが、このメソッドのおかげで1対1に自信がつき、プロになることができました」と効果の程を口にしています。
2人とも身長は167cmとプロではかなり小柄な選手たち。彼らはタニラダーのメソッドでどのように選手としての能力を開花させたのでしょう?
そこで今回からは、12月に発売される「タニラダーADVANCED DVD」の内容をもとに「サッカーで速く動くために必要なトレーニング」を、谷さんの言葉から紐解いていきたいと思います。

■速く動くためのベースは「良い姿勢」にある

タニラダーADVANCED DVD」は、より実戦的な動きにつながる、オン・ザ・ボールの局面でのスピードアップを始め、プレーのスピードが上がるメソッドが詰まっており、スピード不足に悩む選手にとって、上達のヒントを得ることができます。
谷さんは冒頭で、速く動くためのベースとなる、「ひとつのポイント」ついて言及しています。それが「姿勢」です。谷さんは言います。
「人間が速く動くためには、良い姿勢が不可欠です。現状を見ると、子どもが10人いたら、およそ9割の子どもたちに『浮き指現象』が見られ、結果的に不安定な姿勢でプレーをしています」

■9割の子どもが陥る『浮き指現象』

『浮き指』は現代の多くの子どもが抱えている現象で、立った状態で地面から足の指が離れ、バランスの悪い姿勢になってしまうことを言います。浮き指になる理由のひとつに、携帯ゲームやスマートフォンがあり、携帯ゲームやスマートフォンを使う姿勢とは、背中が丸くなり、肩甲骨が開いた状態です。その結果、骨盤が後傾してカカトに重心が乗り、足の指が地面から浮いてしまうのです。
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その状態が長時間続くことで、身体に悪いクセがつき、立っているときであってもやや後傾し、地面から足の指が浮いてしまいます。とくに子どもに多い現象で、足の指が使えないことは、スピードアップやアジリティの強化に大きな弊害となっています。
谷コーチは「浮き指で後傾している状態で、横方向に動こうとする時、十分に地面を足で踏むことができず、地面からの力(地面反力)を受け取ることができません」と説明し、DVDの中で、長谷川太郎氏をモデルに実演します。(※以下の動画は「タニラダーADVANCED DVD」からの一部抜粋です)
DVD内でデモンストレーターを務める長谷川太郎氏は、小学生時代に相撲を頻繁にやっていたこともあり、下半身の安定には定評のある選手です。そんな長谷川氏をもってしても、悪い姿勢のときに押されると、すぐにバランスを崩してしまいます。これがサッカーの試合中であれば、相手に軽く当たられてだけでバランスを崩し、プレーのミスにつながってしまいます。

■良い姿勢が、良いパフォーマンスをつくる

一方で良い姿勢を作り、地面をしっかりと踏みしめて立つことができれば、多少の当たりであれば、足の指で地面をつかんで踏みとどまることができ、相手がぶつかってくる力を、足の指を通じて地面に逃がすことができます。トップアスリートの世界で「足の指」を正しく使うことは常識で、サッカー日本代表選手の多くが、五本指ソックスを使用していることからも、それは明らかになっています。
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▲骨盤が前傾し肩甲骨が寄ったいい姿勢。指で地面を感じることがポイント
もちろん、スピードアップにも「足指力」は重要です。素早く走るとき、あるいは崩れた態勢を立て直すためには、地面反力(注・地面を踏み込むことで得るパワー)を使うことが不可欠で、そのためにもしっかりと地面を踏むことが求められます。つまり、良い姿勢を作ることは、地面から大きな力を受け取ることにつながり、スピードアップに直結するのです。
タニラダーADVANCED DVD」では、ラダートレーニングを行う前の、動きの基礎となる「一瞬にして良い姿勢を作るためのトレーニング」を紹介しています。(※以下の動画は「タニラダーADVANCED DVD」からの一部抜粋です)
<<良い姿勢をつくる簡単エクササイズ>>
1.両手を下ろした上体で、両足を肩幅に開いて立ちます
2.両手を同時に、体の横から頭の上へと円を描くように引き上げます
3.両手を引き上げると同時につま先立ちになり、伸びをした状態で1秒間キープ
4.足と両腕を下ろし、1の状態に戻ります
5.1~4までを1、2回くり返します
※その時、かかとではなく足の指に体重を感じていることを意識しましょう。
<ポイント>
・肩甲骨を寄せる
・骨盤を前傾させる
・足指で地面を捉える
<サッカーにおける効果>
・速く動ける
・ボディバランスが向上する
・ボディコンタクトに強くなる
・怪我の防止につながる
・浮き指を改善
子どもから大人まで、だれでも簡単にできるエクササイズなので、練習前後などに取り組み、常に良い姿勢を意識してみてはいかがでしょうか。ゴールデンエイジ、プレ・ゴールデンエイジと言われる年代で、正しい身体の使い方を身につけることこそが、その後の選手の成長につながっていくのです。
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谷 真一郎(たに しんいちろう)
筑波大学在学中に日本代表に招集され、柏レイソルで1995年までプレー。引退後は筑波大学大学院にてコーチ学を専攻し、その後、15年以上に渡りJリーグのクラブでフィジカルコーチを務める。500試合以上の指導経験を持ち、2012年にはJ2で24戦無敗のJリーグ記録に貢献。『日本で唯一の代表キャップを持つフィジカルコーチ』
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文:鈴木智之

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