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目指せ、ブラジル! ジュニア年代の世界一を決める「ダノンネーションズカップ」の国内大会・東京予選が3月2日、東京・駒沢オリンピック公園で行なわれた。決勝大会へのチケットを勝ち取ったのは、大森FC、柏レイソルA.A.TOR’82、横河武蔵野フットボールクラブジュニア、はくつるフットボールクラブの4チーム。
大森FC(東京都)
東京都大田区を拠点に活動する大森FCは、5年生、4年生の兄弟コンビの吉澤羽弥(はや)くん、吉澤弥星(みせい)くんを中心に、ショートパスとドリブルを織り交ぜた攻撃的サッカーで会場を沸かせた。キャプテンの吉澤羽弥くんは「決勝大会で優勝してブラジルに行きたい」と声を弾ませた。
柏レイソルA.A.TOR’82(千葉県)
柏レイソルA.A.TOR’82は堅い守りをベースに、「ここぞ」というタイミングでの積極的な仕掛けが光った。千葉県柏市で1982年からサッカースクールを展開した歴史あるチームで、「柏レイソル」の名を冠したのは2年前から。決勝大会シードチームの柏レイソルU-12と共に、柏からブラジル行きを目指す。
横河武蔵野フットボールクラブジュニア(東京都)
JFLクラブをトップに持つ横河武蔵野フットボールクラブジュニアは、“崖っぷち”からの決勝大会出場だ。代表決定戦では早い時間に先制しながら2連続失点を喫して1-2と逆転を許す。だが、「自分たちのサッカーをやろう」と落ち着いてボールを回しながらペースをつかみ、最終的には5-2で勝利した。
はくつるFC(埼玉県)
初出場のはくつるFC(埼玉県)はうれしい決勝大会出場となった。「初めての参加なので結果に臆することなくチーム全員で勝利に向けてハードワークをしていきたい」(杉本竜二代表)という言葉通り、球際での粘り強さや、お互いをカバーする献身的な姿勢で、強豪チームを次々に撃破。最後はPK戦を制して勝ち上がった。
代表4チームは3月29・30日に駒沢オリンピック公園で開催される決勝大会で、シードチーム(18チーム)と共に優勝を争う。優勝チームはブラジルで開催されるダノンネーションズカップの世界大会に「日本代表」として出場する。
ただし、ダノンネーションズカップは単純に「強いチームを決める大会」ではない。サッカーで競い合うだけでなく、サッカーを通じて多くの仲間を作る。それが開催団体「ダノン」の基本理念である。参加チームが抽選で選ばれているのもそのためだ。
東京予選にも青森フットボールクラブU-12、岩瀬FC(福島県)、女子メンバーのみの「金沢ガールズ」、地域の小学校に根差して活動している「辰沼少年サッカークラブ」など個性豊かな顔触れが、それぞれの目標に向かって駒沢のピッチでボールを追いかけた。
代表4チームと共に表彰されたフェアプレー賞は全敗に終わったFC alegre(埼玉県)が受賞。フェアプレー賞はオンザピッチだけでなくオフザピッチも含めた行動や態度が評価されて決定される。
西川直幸監督は「結果を見てもわかるように、私たちは弱いチームです。ダノンに出られると聞いたときは、『自分たちみたいなところが出ていいのかな』と思ったのですが……、このような賞をもらえて本当にうれしい」と目に涙を浮かべながら語った。
大会アンバサダーとして熱戦を見届けた元日本代表MFの北澤豪氏は、「32チーム中22チームが初出場だったけど、どこも頑張っていたし、最後まであきらめずに戦っていた。勝ち負けは重要だけど、それだけじゃないものを選手たちはつかんだんじゃないかな」と振り返った。
最高気温は9度、冷たい雨が降り続ける、決してベストな条件でのプレーとはいかなかったが、参加した子供たちにとっては忘れられない1日になったに違いない。
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取材・文/北健一郎 写真/ダノンネーションズカップ in JAPAN実行委員会
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