今年3月に母校・順天堂大サッカー部の監督に就任した元日本代表の堀池巧さん。2人のお子さんはともにサッカーの道を歩み、揃って父親と同じ大学へと進みました。サッカー少年の父親としては、サカイク読者の先輩にあたる堀池さんは、どのようなスタンスで子どもたちと接してきたのでしょうか。前編となる今回は、堀池家の教育方針についてお話をうかがいました。(取材・構成 小須田泰二 写真 小須田泰二)
■将来やりたいことは子どもたちが決めるもの!
ー今回は堀池家の教育方針についてお話を伺いたいと思います。ふたりの息子さんは現在、堀池さんの母校・順天堂大学に通っているそうですね。
「長男は今年で4年生になりました。大学2年までサッカー部に所属していましたが、3年からは関東大学サッカー連盟を支える学連のスタッフとして活動しています。次男は藤枝東高校を経て、今年の4月に入学したばかりですが、サッカー部に入って日々ボールを追いかけています。まさか自分も同じタイミングで、監督として順天堂大学に通うことになるとは思いませんでした(苦笑)」
-お二人とも藤枝東高、順天堂大と同じルートを歩んでいますが、小さい頃はどんな子どもに育てようと思っていましたか?
「まずは元気な子に育てること。そして当たり前のことが当たり前にできる子に育てること。このふたつが、我が家の基本方針ですね。相手に不愉快な思いをさせないようにマナーやしつけは厳しく言ったかもしれません。お箸の持ち方だったり、勉強机の座り方、ご飯を食べる際の姿勢なんかはうるさく言ったかもしれません。ただ、あとは子どもたちがやりたいと思ったことをやらせていました。”押しつけ”なのかもしれないけれど、英語教室、水泳教室、公文教室、粘土教室などに通わせたり。与えて続かなかったら、それでもいいんです。いろいろ体験できる場を作って選択肢を増やしてあげる。将来やりたいことは子どもたちが決めるものだと思いますから」
ーサッカー選手になってほしいとは思わなかったのでしょうか?
「もちろん、ぼくがサッカー選手でしたから、試合観戦に行ったりサッカー選手の知人が家に来たりと、自然とサッカーに触れ合う機会が多かったのはあります。ただ、ぼくから強要するようなことは一切していないです。いろんな教室に通わせたり、野球のバットを買い与えたり、サッカー以外のことをやらせたことが多かったですね」
ー実際、子育てに関わる時間はどれくらいありましたか?
「普通のサラリーマンの家庭よりも、子どもたちと接する時間は多かったと思います。野球と違ってサッカーの試合は週一回ペースですから、アウェーのナイター以外はほとんど帰ってこられるし、1日の練習も通常は2時間だけでした。サッカー選手になって子育てという点では本当に得したと思います」
ーずばり、子育て円満の秘訣はなんでしょう?
「やはり、子どもと接する時間を増やすことでしょうね。子どもと遊ぶ時間というものはぼく自身のストレス発散にもなって、まさに家庭がリフレッシュの場になっていました。しかも妻は専業主婦をしてくれていたので、子育てする環境としてはすごく恵まれていたと思いますね。”公私ともに”という言葉があるように、家庭が円満だと仕事も充実するもの。家庭も大事にするから仕事も大事にする。自動車でいうところの両輪の関係だと思っています」
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取材・構成 小須田泰二 写真 小須田泰二