女子が少年団で男子の中に交ざってサッカーをプレーすると、嫌な思いをしてしまうのではないか......
このような疑問を持つお父さんお母さんは多いのではないでしょうか。正直なところ、実際に女の子が少年団で感じるストレスはあります。じじつは筆者も少年団のなかで女子1人という環境でサッカーをしてきたため、思いたるふしがあります。
たとえば1対1の練習メニューのときに、対戦するはずの男の子がわたしと対戦することに気付くと、列の前後の子と話し、入れ替わって私と対戦しないようにしたのです。そのときは、
「あ、避けられてるな......」
と、とても傷つきました。
わたしのサッカー仲間で、小学生のころ少年団に所属していた友人も同じような経験をしていました。
「円陣をしようとしたときに、肩を組んでくれない男の子がいた。そのときはそのまま終わって、わたしもそんなに気にしなかったけれど、やはり肩を組まれないのは少し寂しいから、わたしもその子の隣にならないようにはしてたかな」
サッカーが好きだからそこまで気にはならなかったものの、彼女なりに気にかけていたそうです。
このように、女子が男子に交ざってサッカーをやることで、女の子がストレスを感じるケースは少なからずあります。それは男の子の悪気のない恥ずかしさからくるものだと思いますが、女の子からするとみんなと同じように扱われず、差別されたという感覚や劣等感、なにより純粋に悲しい気持ちになってしまいます。
それでも私は、女の子が男の子に交ざってサッカーをやるということにとてもメリットを感じます。なぜなら、少年団でやる女の子だからこそ高められるメンタリティーがあると思うからです。(取材・文/小堺めぐみ)
■少年団に通うサッカー少女のお父さんお母さんにできること
サッカー少女が、地域の少年団のなかでサッカーをするメリットは2つあります。1つは、サッカーを好きな気持ちが強くなること。1つはポジティブな面を見つけられるようになることです。
まずは、サッカーを好きな気持ちが強くなるに関してです。たとえば、わたしは自チームと対戦チーム含めてピッチ内に女の子1人という状況でプレーすることがよくありました。そこには、男の子たちに交ざって試合に出たり良いプレーができたときに得る自信がありました。試合が終わって「すごいね」「目立ってたよ」「当たり負けしてなかったね」と周囲からかけられる一言が、純粋にサッカーを好きな気持ちを刺激し、「またがんばろう」という気持ちにさせてくれました。サッカーが好きな気持ち、負けず嫌い、褒められて嬉しい、そいういった感情は男の子同様、女の子にもあります。ですから、その気持ちを育んであげられるような言葉をかけてあげることが、お父さんお母さんにできることではないでしょうか。
取材・文/小堺めぐみ