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親子でチャレンジ

子どもが心から楽しんでサッカーをするために、肝に銘じるべき親の心得とは

2017年5月31日

キーワード:グラスルーツサカイク10か条楽しむ親の心得

■子どもの声に耳を傾け続けてあげること

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最初はただボールを蹴るだけだった子どもが、1対1のやり方を覚え、友達との連係を知り、仲間との関わり合いを理解していきます。子どもは、1年どころか、数カ月、いや1日ごとに成長していくもの。だからこそ、保護者も常に、子どもとの向き合い方を考えていかなければいけません。子どもが長男、長女であれば、“親としての年齢”も子どもと同じ。保護者も、子どもと一緒に成長していくというスタンスが大事ではないでしょうか。
 
そうは言っても、自分も成長しながら、子どもと適度な距離感を保っていくことは、容易ではありません。小学生の子どもを持つ藤村さんも、「子どもとの接し方の正解は分からない」と、試行錯誤の連続だと明かしてくれました。
 
「実際には、スクールに預けている間はしつけをお願いします、というスタンスの保護者もいます」。もちろん、子どもの一挙手一投足に目を光らせて、先に手を回すことが必ずしも良いわけではありませんし、コーチの間に割って入って口出しすることも良いことではありません。ただ、子どもとの関わりを放棄してしまうことは、もっと良くないことだでしょう。
 
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(C)allsports.jp
 
藤村さんのお子さんは、今はサッカーをしていないそうです。「最初はクラブに通わせていましたが、正直、すごくやりたいと言う感じではなく、でも嫌いじゃないというくらいの印象でした。彼自身、グッとこなかったようなので、僕も強要はしませんでした。それで今はサッカーをやめて、彼は体操を始めました。昨年のリオ・オリンピックを見たり、体育の授業などで体操に触れる中で、自分から『やりたい』と意思表示をしたんです」
 
これは、サカイク10か条の、「サッカー以外のことを大切にしよう」という項目にも当てはまります。たとえトップ選手になれなかったとしても、子どもから大人まで、生涯スポーツとしてサッカーが楽しめる環境がそろっていますから、本当にやりたいと思っていないことを続けさせてサッカーが楽しくなくなってしまうよりは、学校や友達との付き合い、他のスポーツも経験させるなど子ども自身がやりたいことを応援するのが大事です。
 
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(C)allsports.jp
 
子どものモチベーションと同じように、保護者の思いも十人十色でしょう。トップ選手を目指してほしい、スポーツの楽しさを味わってほしい、文武両道の精神を養ってほしい、仲間と笑顔になってほしいなど、子どもにスポーツをさせる中で色々な思いがあると思います。
 
ただ忘れてはいけないのが、子どもにサッカーを“させて”いるわけじゃないということです。子どもが今、何をしたいのかは、いつも考えておかなければいけないことでしょう。「サッカーをやりたい」という、子どもの心からの声に耳を傾け続けてあげることこそ、常に肝に命じておくべき、親の心得ではないでしょうか。
 
>>後編に続きます
 
 
藤村 孝幸(ふじむら・たかゆき)
1975年8月27日生。東京都足立区出身。2017年4月に東京都サッカー協会(東京FA)キッズプロジェクトプロジェクトリーダーに就任。2012年にキッズリーダー講習会を受講したことをきっかけにキッズリーダーインストラクターを目指し、東京FAで経験を積んだ後、現職に。グラスルーツ推進部会部会長も兼任。その他、台東区サッカー連盟にも所属し、同区スポーツ推進委員など、活動は多岐にわたる。
 
http://www.tokyofa.or.jp/
 

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文:本田好伸、写真提供:公益財団法人 東京都サッカー協会

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