運動能力
"1分間で体幹スイッチをオンにする"!Jクラブアカデミーも使用するトレーニング器具の効果・使い方とは?
公開:2021年9月14日 更新:2023年11月28日
サッカーで良いプレーをするために欠かすことのできないのが、身体バランスの向上です。体幹トレーニングを始め、バランス力アップのトレーニングに励んでいる子どもたちは、たくさんいるのではないでしょうか。
タニラダーでおなじみ谷真一郎さんは、練習前に「メトリクスフォーム」を使って体幹に刺激を入れ、姿勢の安定やコンタクトの準備をすることで、子どもたちの素早い動き、安定したプレーの実施にアプローチしています。
たった1分乗るだけで、プレーに良い影響をもたらすトレーニング器具『メトリクスフォーム』の効果や使い方を、谷さんにうかがいました。体幹強化に取り組みたい、便利なトレーニング器具を探しているといったサッカーチームの関係者はぜひ参考にしてください。(取材・文/鈴木智之 写真/サカイク編集部)
谷真一郎コーチにレクチャーを受ける選手
練習前の1分間で体幹を刺激するメトリクスフォーム
谷さんがコーチを務める『タニラダー塾』。グラウンドでの開始前、子どもたちは四角い板の上に乗り、片足立ちをしています。この四角い板こそが『メトリクスフォーム』です。
谷さんは「片足立ちで30秒ずつ、計1分乗るだけで体のバランスが高まります。スピードアップにもいい影響がありますし、フィジカルコンタクト時に倒れたり、体勢が崩れにくくなります」と、真っ黒に日焼けした顔で話します。
メトリクスフォームは『高反発EVA(エチレンビニルアセレート)素材』を使ったトレーニングマットで、柔らかい材質なので、片足で乗ると体がグラグラします。このとき、体は安定性を保とうとして、ローカル筋(体幹深層筋)を使ってバランスを整えます。
ローカル筋は、背骨や骨盤を安定させるために必要な、腹横筋、多裂筋、大腰筋、骨盤底筋のことで、運動神経と関係が深いものです。サッカー選手には欠かせないものだと言えるでしょう。使い方はとても簡単であるため、ジュニア年代のサッカーチームなどでも導入しやすくなっています。
谷さんは言います。
「体の内側にあるローカル筋が活性化することで、外側の大きな筋肉も安定します。そうすると姿勢が崩れにくくなるので、相手にぶつかられたときに耐える力がアップしますし、スピードや動きやすさの向上につながります」
スタッフ全員「これはいい!」と意見が一致
メトリクスフォームはタニラダー塾を始め、ヴァンフォーレ甲府アカデミーの全カテゴリーに取り入れているトレーニング器具です。
「ヴァンフォーレ甲府では、スタッフみんなに体験会をしてもらいました。そうしたら『これはいい!』と好評だったので、すぐに全カテゴリーに導入しました。ほかに、高校サッカーの監督さんも『メトリックスフォームの力は絶大です』と喜んでいます。いままで当たり負けしていた子が、練習前にメトリクスフォームに乗ってローカル筋に刺激を入れることで、コンタクトでバランスを崩さなくなったそうです」
メトリクスフォームでトレーニングするヴァンフォーレ甲府アカデミーU-18の選手たち
タニラダー塾やヴァンフォーレ甲府の子どもたちは、メトリクスフォームの効果について「転ばなくなった」「相手にぶつかっても倒れなくなった」「動きやすくなった」「楽に動ける感じがする」などと話しています。
なかには、タニラダー塾でお子さんがメトリクスフォームを体験する様子を見たお父さんが、「これはいい」と購入し、毎日エクササイズを続けたところ、2週間後のタニラダー塾で見違える動きを見せた子もいたそうです。
外遊びが減った子どもたちに必要な体験
「皆さんおっしゃるのが、いままで転んでいた子が転ばなくなった。コンタクトされると、ぐしゃっとバランスを崩していた子が、倒れなくなったということです。タニラダー塾に来るたびに、動きに安定感が増しているのがわかりますし、子どもたち自身も感じているようです」
いまでは多くの子ども達が、練習に来るとまずメトリクスフォームに乗ってから、ボールを蹴ることがルーティンになっているそうです。
谷さんは「子どもたちだけでできるので簡単ですし、効果も感じているので、何も言わなくても勝手にやっています」と笑顔で語り、こう続けます。
「私が子どもの頃は不安定な山の斜面を登り降りしたりして、様々な筋肉を使っていましたが、現代はその体験をする場が減っているので、メトリクスフォームのような道具を使って、体験させることが必要です。導入も継続も簡単ですし、ケガ予防、スピードアップ、プレーの安定性につながります。ローカル筋に刺激を入れると、2時間ぐらいは持つんです」
谷さんが言っているように、使いやすいトレーニング器具である点がメトリクスフォームの大きな特徴です。いくら優れた器具でも使いにくいものでは意味がありません。特にジュニア年代のサッカーチームの場合、子供でも扱えるような使いやすいものであることが重要だといえます。そういった意味でもメトリクスフォームは使い勝手のいいトレーニング器具だといえるでしょう。
練習前に選手が各自でメトリクスフォームを使ってトレーニングを行う
メトリクスフォームを練習前の習慣にすることで心のスイッチもオンに
子どもたちはメトリクスフォームに乗ることで、「これから練習するぞ!」という心のスイッチが入るそうで、ローカル筋と心のスイッチを入れて、心と体の準備をする、良いきっかけになっているそうです。
「タニラダーもそうですが、サッカー選手としての土台を作るジュニア年代に、良い姿勢や良い習慣を体に染み込ませることが大切です。メトリクスフォームはそのための道具として、心強い味方になってくれています。 メトリクスフォームで体幹部を安定させるだけでなく、タニラダーなどを使ったトレーニングで「動きの質」も同時に高めていくことによって、転倒したり、当たり負けする局面はさらに減少すると思います。」
子どもだけでできるなど、使い方がシンプルで導入も簡単なメトリクスフォーム。体幹を強化し、当たり負けしない体を作りたい方は、体験してみてはいかがでしょうか。子どもから大人まで使えて、保管場所にも困らないので、様々な場面で役に立ってくれることでしょう。