■冬場も注意したい"脱水症"
脱水症に対して、なんとなく夏のイメージを持っていませんか? もちろん炎天下でのサッカーは、脱水症や熱中症のリスクがとても大きいのですが、冬場はリスクがないかというと実はそうではないのです。第1回~4回でもご登場いただいたスポーツ栄養学のエキスパート、鎌倉女子大学の田地陽一先生にお話しを聞きました。
体重の50~60%は水分。この体水分のたった1~2%が減少しただけでも運動パフォーマンスの低下が起こり始めるといいます。先生いわく「脱水は、無意識のうちに誰もが経験したことがあるはず」
ただ、対策を意識すればパフォーマンスの向上につながることも。特に水分補給を怠りがちな冬こそ意識してほしいと先生は続けます。
「喉が渇いたと感じた時には身体はすでに脱水状態になっています。脱水状態になると、血液の濃度が高くなり、ドロドロになってしまいます。そうすると、血液循環をするだけでも心臓と身体がたくさんのエネルギーを使うことになり、疲労へとつながります。動きが鈍くなるなど、身体のパフォーマンスは確実に落ちてしまうでしょう」
パフォーマンスの減退は避けたいところです。では、どのように防げばいいのでしょう。
「運動を始める30分前に、大人なら500mlですがジュニア世代なら250~350mlくらいの水分を摂取し、直前に一度トイレに行きましょう。運動を始める前に水分を身体に入れておき、膀胱の中のおしっこは空にしてスタートするのがベストです。ジュニア選手の場合、運動中は20分間隔で100mlくらいずつ摂取したいところ。喉が渇きを感じる前に飲むのがベストですが、乾きを感じた時は好きなだけ摂るようにしましょう」。
気温が寒くても運動をすれば汗をかき、体内の水分は徐々に失われていきます。冬だからと甘く考えず、20分給水の目安を守れるよう大人が促してあげたいものです。