■残り物には福がある。缶詰につまった『栄養素』
安くて買い置きができる、お手軽な魚食品としてオススメの缶詰。その残り汁には大事な栄養素が含まれているといいます。その栄養素とはなんなのでしょう。前回に引き続き、鎌倉女子大学の田地先生にお話しを聞きました。
「魚の脂に豊富に含まれている、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)。これらは、血液をサラサラにする効果が高いのが特徴で、マグロ、イワシ、サンマ、アジ、サバ、ブリなどの青魚に多く含まれています。生で食べると100%摂取することができますが、煮ると煮汁に溶け出してしまうし、焼くと脂が下に落ちてしまい、20%ほどの量が減少してしまいます。しかし、缶詰の残り汁には、そうして溶け出したDHAやEPAが入っているので、捨てずに利用することで、(栄養素の)ほぼ100%を摂取することができるという訳です」
主に血液をサラサラにする効果があるというDHAやEPA。これらには、有名なお魚ソング「おさかな天国」で歌われているように、「頭が良くなる」効果もあるそうです。
「(DHAやEPAを)摂取すると頭の働きが活性化するというのは、科学的にも実証された事実です。赤ちゃんの脳の発達にも良いため、特に妊娠初期には一定量の摂取が推奨されているほど。まさに瞬時の判断が求められるサッカー選手にはピッタリな食材なのです」
また、食べる際できれば一緒に摂りたい食材も。
「ビタミンEを豊富に含んだナッツ類やゴマを一緒に摂るといいですね。DHAとEPAはとても体に良い脂なのですが、酸化しやすいという弱点もあります。体内での酸化を防いでくれるのがビタミンEなので、食後にアーモンド数粒などを食べることができれば、さらにベターでしょう」
食べるだけでサッカー選手として成長できるのと同時に、学校の成績もアップ!? まさに良いことずくめな食材である魚。下のメニューを参考に、これからはなるべくたくさん魚料理を取り入れてみませんか。