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子どもが少食、試合のお昼に固形物が食べられない、補食は何が良いか分からない......。 ママたちの悩みにプロが回答

公開:2024年9月12日

キーワード:偏食少食朝ごはん栄養管理栄養士食事

夏休みが終わってもまだまだ暑さが続いています。暑さの中でも子どもたちが元気に動くために欠かせないのは適切な栄養摂取ですが、わかっていてもただでさえ食欲が落ちがちな気候...。少食な子どもたちの食事管理はさらに困難になりますね。

サカイクでは、「サカイクアンバサダー」のママたちに子どもの食事の悩みを募集し、それを管理栄養士・公認スポーツ栄養士の坂口 望さんに相談しました。

インタビューにはサカイクアンバサダーの齋藤さんも同席、ご自身のお子さんの食の悩みについて坂口さんに直接質問しました。

他にも試合の日の昼食で固形物が食べられない、練習後の補食は何が良い? などアンバサダーの皆さんから寄せられた「あるある」な困りごとにアドバイス。子どもの食で悩んでいる保護者必見です。
(構成・文:小林博子)

 

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<<関連記事:保護者の悩み「サッカーする子どもの少食・偏食はどうしたらいい?」にスポーツ栄養のプロがアドバイス

 

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■お悩み1:成長期の中学生、ごはん1食230gは少ない?

取材に同席したサカイクアンバサダー齋藤さんのお悩みは、成長期なのに子どもがやせてしまうこと。

齋藤さん:
小学生の頃はぽっちゃりしていたのですが、中学生になり最近ほっそりしてきてしまいました。身長が伸びてきているのに体重は増えずガリガリに見えてしまうのですが......。ご飯の量は、測ってみたところ1食230gでした。息子は今154cm、43kgです。

 

坂口さんのアドバイス:
今ちょうど身長がぐっと伸びる時期なのだと思います。ほっそりする子も多いので、心配しなくて大丈夫です。お子さんの身長と体重でご飯が230g×3食だとちょっと少ないので、給食以外の朝と夜で量を増やすか、捕食を摂るようにするかで工夫してみてください。

 

■お悩み2:朝食べられない子、パンでもいい?

続いて朝食はご飯かパンか、というお悩み。世間では「ご飯がいい」という声も多いですが、どうなのでしょうか。

齋藤さん:
夕食はそれなりの量を食べますが、朝食は少食。朝から品数多くテーブルに並べているものの、あまり食べてくれません。さらに最近はご飯よりパンがいいと言われますが、パンだと糖質が足りない気がしています。

 

坂口さんのアドバイス:
その日の気分や体調などでご飯でも食べられる日もあるなら、ご飯とパンを交互にするのもひとつの手。また、食パンだったら6枚切りだったのを4枚切りにするなどで1回の量を増やすのもいいでしょう。そもそも朝食の量が少ないこともお悩みとのことですが、その対策としてのおすすめは汁物に糖質を入れること。味噌汁やスープに芋類やかぼちゃ、麺類を入れるなどしてみてください。

 

■学校でトイレに行きたくないから朝食をあまり食べない

さらに、思春期ならではのお悩みも。

齋藤さん:
朝食を食べるとトイレに行きたくなって時間がなくなるから、あまり食べたくないと言われてしまいます。年代的なものもあるのか「学校では行きたくない」と、トイレが心配で食べることを我慢しているんです。その分早起きすればいいでしょと言ってはいるのですが......。

 

坂口さんのアドバイス:
朝食時に便意を感じるサイクルができるのはとてもいいこと。その生活習慣を続けていけば、胃腸も強く成長していき、中高生になったときにも良い影響があるはずです。将来のメリットを伝えて、本人の考え方を変えられるように促してみてください。理解すれば、トイレに行く時間の分、早起きするように自らなってくれるはずです。

 

■夏場は食欲減退、飲み物と果物しかとらない日もあるけど大丈夫?

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そして多くのご家庭で抱える食事の悩みも。栄養が足りているか心配な親御さんも多いことでしょう。

齋藤さん:
暑い日は食事が喉を通らないことも。飲み物と果物だけしか口にしてくれない日があります。味噌汁も具はいらないと言われたりも...。それで大丈夫でしょうか。

 

坂口さんのアドバイス:
味噌汁には水分と塩分がたっぷり入っているので、熱中症対策に実はとても良いんですよ。具を食べなくても、あまり気を病むことはないでしょう。飲み物はスポーツドリンクを選ぶことが多いと思いますが、注意してほしいのは「カロリーオフ」「糖質オフ」などのものを選ばないこと。カロリーも糖質もしっかり摂ってもらいたいからです。日中食べられなかった日は、夕食をなるべく早く食べるようにすることも対策の1つです。

 

坂口さんからのアドバイスに、みるみる表情が晴れていく様子だった斎藤さん。考え方を変えたり、コツをつかむことで食事の悩みが解決できそうです。

 

■他にもありがちな食事のお悩み 1問1答

ここからは、当日その場にはいられなかったものの、取材前に聞いておいた他のアンバサダーさんからの質問にもお答えいただきました。「うちもそう」というお悩みがたくさんあるはず!

 

■試合の日の昼食に何を食べるといいのかがわかりません

アンバサダー:
試合が1日ある日の昼食や捕食に悩んでいます。おにぎりなどの固形物が食べられません。「おなかがすかない」と言って食べたがりません。午後のプレーに影響が出るからという理由ですが、エネルギーが足りているのか心配です。試合の合間に食べるのはこんなのがいいよ、という具体的なものを教えてください。

 

坂口さんのアドバイス:
まずは子どもが固形物を食べても走れるかどうかを知っておきましょう。体力的に、また精神的に「噛んで食べる」ことが負担になる子の場合は、ゼリー飲料など噛まずにエネルギー補給できるものを活用しましょう。固形物の中でも、おにぎりは無理だけどバナナ程度であれば...などもあるかもしれません。無理せず口にできるものを見つけてください。

ただし、この方法は普段の栄養摂取がしっかりできていることが大前提です。

みなさん試合前日や当日の「勝ち飯」を気にされますが、それよりも毎日の食事が大切。試合当日にややイレギュラーな栄養摂取でも良いパフォーマンスができるかどうかは、日々の栄養摂取がしっかりできているかどうかにかかっています。

なお、スポーツ栄養的には試合の30分前からが固形物の摂取はNGとされていますが、問題なく食べられてプレーにも影響がない子なら、おにぎりなどを食べてもいいと私は思っています。スティックパンなども食べやすくておすすめですよ。

 

■野菜をぜんぜん食べてくれません

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アンバサダー:
少食で気分にムラがあるのですが、一番の悩みは副菜(野菜)を食べてくれないことです。どうしたらよいでしょうか?

 

坂口さんのアドバイス:
野菜嫌いに関しては前回も触れましたが、今は気にしなくてOKです。というのも、成長期に重視したいのはエネルギーの摂取。つまり、糖質・脂質・タンパク質です。野菜を食べることでそれらが減ってしまうことはむしろ避けたいくらいです。

「ビタミンが足りなくなるのでは?」とお考えになる方もいらっしゃいますが、ビタミンの中でも疲労回復や栄養の吸収を高めるビタミンB群は肉や魚にも入っているのでそれも気にしなくて大丈夫。食物繊維などは確かに不足するかもしれませんが、小学生のうちはいったん優先順位を下げてしまって問題ありません。

ただし中高生になっても野菜を食べないのは健康面からおすすめできないので、その頃には子どもが自分の体やプレーのために摂るべき栄養について自分で考えられるように働きかけてみてください。

前回もお話ししましたが、栄養を摂ることの意味や、それがなりたい自分に近づくためにどうして必要なことなのかに本人が気づけるよう親が働きかけてみてください。

 

■時間がなく補食をコンビニで調達するとき、何を買えばいい?

アンバサダー:
練習や試合の後、家に帰ってから夕食を作ると遅くなる時など、時間がないときに手軽にコンビニなので買う場合にいいとされるものは何ですか?

 

坂口さんのアドバイス:
試合や練習の合間のエネルギー補給が目的だとしたら、さきほど試合当日の捕食で例にあがったゼリー飲料やおにぎり、スティックパンなどはいかがでしょうか。

練習時間があいたり、練習後に帰宅まで時間がかかる場合は、糖質と脂質、タンパク質にフォーカスしてバランスを考えて買って食べましょう。おにぎりとレジ横のお肉系を組み合わせるほか、ハムや卵のサンドイッチなども良いバランスです。

コンビニ食は体に悪いのではとお考えになる方もいらっしゃいますが、それよりも空腹な時間が長くなるほうが成長期の子どもにはNG。エネルギーが枯渇しないようコンビニにも頼るのが賢い選択です。

 

■「自分で考える」を食事にも

サカイクの「自分で考えること」は、食事の仕方にもとても大切なことだと坂口さん。毎日のご飯は親ができるサポートの中でも大きな部分を占めるため、どうしても過保護になりがちですが、子どもを信頼し、子ども自身に決めさせることが最も効果的な解決策のようです。

まだまだ暑く、大人ですら食べられる量が減りがちな日々ですが、成長期の今、子どもと一緒に食事に意識を向けてみるのもよい機会ではないでしょうか。

 

 

プロフィール写真①.jpg
坂口 望
MOGUらいふ代表

管理栄養士、公認スポーツ栄養士として、選手の栄養相談や栄養セミナー講師、アスリート向けの献立作成などを行っている。
プライベートでは高校生から小学生までの、スポーツをする3児の母。
https://mogulife.net/

 

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