名古屋グランパスに就任した風間八宏監督に聞く"子どものやる気を引き出す方法"。
前回の記事ではやる気を起こす秘訣は"楽しませること"であり、その中で"褒める"ことの重要性を語って頂きました。ですが、ひたすら褒め続けることが良いという訳ではありません。褒める過程で子どもがサッカーを好きになり、必死に取り組むようになった先に"怒る"ということも必要だと語ります。
ただ、それも頭ごなしに叱りつけるという類のものではありません。(取材・文 竹中玲央奈)
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■怒るときも褒めてあげる
「褒めていたら自然とサッカーがうまくなります。ですが、ある程度力がついたときに、怒ることになると思います。『君ならできるだろ、なのに、なんでやらない?』という形ですね。君じゃなきゃできない、もっとできることを知っているから自分は言っているんだよ、ということです。そこで、怒る」
「ただ、結局"怒る"にしても褒めているんです。"君に期待しているんだよ"、"自分に期待しているのなら、もっとやらなきゃだめだろう"と。そういうアプローチですよね。子どもからすれば『本当はできたのに、自分は期待を裏切っちゃったな』と思いますよね。そして逆に、『まだ期待してくれているんだ』と思われる。そういうふうに導くために怒るのは良いと思うのですが、ただ怒鳴るだけでは子どもも嫌になりますよね」
できないことに対して怒るのではなく、やれるはずなのにそこを怠るということに対して言葉を投げかける。言い方はやや厳しさを増すかもしれませんが、そこには"子どもたちに期待をする"という感情が含まれるため、こういった声かけのほうが子どもたちのモチベーションを高めるということです。ですが、そこの"怒り方"の中にもNGなやりかたがあると、風間監督は続けます。
「『君だからできるだろ!君だから言っているんだよ!』という怒り方と、『なんで他の子はできるのに、君はできないんだ?』という言い方はもう、ぜんぜん違う。人と比べるということほど、必要のないことない。兄弟で考えるとわかりやすいかもしれません。『お兄ちゃんにできるのになんでお前はできないんだ!』というと、主役は自分でなくお兄ちゃんになってしまう。主役をその子におくことが重要です」
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取材・文 竹中玲央奈