インタビュー
ピッチ外の失敗もサッカー上達の糧になる。元日本代表MF前園真聖が語る「何事にも挑戦する心」
公開:2018年5月 1日 更新:2023年6月30日
ダノンヨーグルトなどで知られる世界的食品企業のダノングループが主催するFIFA公認の "小学生年代のワールドカップ" である「ダノンネーションズカップ」の日本大会「ダノンネーションズカップ2018 in JAPAN」が4月1日、2日の日程で東京・駒沢オリンピック公園にて開催されました。
■前園「今の子どもたちが羨ましい(笑)」
地区予選を勝ち抜いたチームが集結した本選。フェアプレーの精神に則りながらも熱い戦いが繰り広げられ、男子は江南南サッカー少年団(埼玉)が初優勝、今大会から始まった女子は千葉中央FC U-12ガールズが初代チャンピオンとなりました。
今年は例年優勝チームが参加するFIFA公認の世界大会が2019年に延期となり、来年大会と並行開催で行われることが発表されました。ですが、4月に新学期を迎える日本の制度では、現チームの中心選手である6年生は、中学に進学し別のチームの所属となるため参加できません。
そこで、代わりにウィナーズプログラムとして6月にフランスチームとの親善試合が用意され、両チームはそれに参加します。男女合わせて世界33か国で開催される「ダノンネーションズカップ」ですが、日本大会のアンバサダーは、元日本代表MFの前園真聖さんが務め、本大会を盛り上げました。
決勝戦では実況も務めた前園さんは「非常にレベルの高い大会でした」と大会を総括。個のレベルももちろんですが、チームとしてのレベル、完成度の高さを感じたそうで「もっと見ていたかったな」と感想を述べました。
「僕が子どもの頃はこんな大会は無かったので、今の子どもたちが正直羨ましい(笑)」と本音をのぞかせながらも「この年代で世界の同年代との対戦ができること、世界のレベルを体験できるというのはすごく大きいこと。フランスでは自分たちがやってきたことを出し切ってほしいし、日本のチームとは違うプレッシャーや、体格差というものを肌で感じで来てほしい」とエールを送りました。
また、当日行われた栄養セミナーでは「現役時代は(食事についてあまり知識がなく)とにかく3食食べることを基本としていた」と話した前園さん。「自分が小学生の時はこういう機会(栄養セミナー)がなかったから今の子どもたちは羨ましい」と現役時代との環境の変化に驚いた様子でした。
一緒に登壇した管理栄養士の磯村さんは、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをとることが「丈夫な骨を作る」と言います。2017年3月26日にリニューアルして発売されたダノンヨーグルトは、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを新たに1カップに3マイクログラム配合した栄養機能食品(※1)で、大人が1日に必要な量の50%以上、小学1年生の子どもが1日に必要な量の100%を満たすのだそう(※2)。
最後にサンプリングが行われ、リニューアルしたダノンヨーグルトを前園さんから子どもたちに手渡ししました。気さくで優しい前園さんは子どもたちに大人気であっという間に長蛇の列ができ、大盛況のうちにセミナーは終了しました。
※1.【栄養機能食品】ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。
※2.日本人の栄養摂取基準2015年度版の推奨量に占める割合
■年代が上がっていく中で重要となるサッカーのスキル
MVPを獲得した上西遥喜選手(江南南サッカー少年団)、吉福紗帆選手(千葉中央FC)の印象を問われると、「僕もこのぐらいの時は上背が無かったので......(いろいろ共感する部分がある)。でも、二人ともしっかりした基本的な技術がある。ボールを奪われないとか、パスのコントロールだったり、年代が上がっていく中で1番重要なことが小学生で身についているので、今後はそのスキルをより高いレベルの中で発揮する事ですね。これから判断力など他にもサッカーに必要なスキルが備わってくると思うのですが、そこ(今はまだ足りていないこと)を今回のフランスで体感して、伸ばしていってほしいと思います」と、小学生年代でのスキルを称賛。
記者に親善試合を行うフランスで何をしたいか聞かれた上西くんは、「観光したりしてみたい」とコメント。「サッカーでのやってみたいこと」の回答が返って来ると思っていた前園さんと取材陣から笑いが起こる場面も。吉福さんは「サッカーでは、日本では味わえないことを体験して、チームで勝ちを取りたいと思います」と、海外の同年代との対戦を心待ちにしているようでした。
二人の回答を受け前園さんは、「ふだん日本で経験できないことを経験できるのがいい。プレーもそうですが、今意見がでた『観光』でも良いし、色んなところを学んでほしい。言葉が通じないところなども自分たちからどんどんコミュニケーションを取ってほしいですね。積極的にしゃべる、コミュニケーションを取るというのも文化交流の1つだと思うので、そういった面でも積極的にチャレンジしてほしい」とアドバイスを送りました。