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インタビュー

「厳しくも愛情を持って育てられたからこそ夢の舞台に立つことができた」清武弘嗣が語る"親の影響力"とは

公開:2018年6月20日 更新:2023年6月30日

ロンドン2012オリンピックに出場し、44年ぶりにベスト4に進出した清武弘嗣選手。東京2020オリンピックに対してどのような想いを抱いているのでしょうか。オリンピックのワールドワイドパートナーであるP&Gが清武選手の想いに迫りました。(記事提供:P&G)

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■清武選手が初めて語る"東京"への期待「メダルのチャンスは十分ある」

 東京2020オリンピックに出場するような世代の選手のことは、正直そこまで詳しく知らないです。ただ、今、アルビレックス新潟にいる坂井大将やジュビロ磐田にいる小川航基あたりは関わりもあって注目しています。

 小川は一緒にリハビリしてましたし、坂井は大分トリニータの時に一緒だったんですよ。僕がプロに入った時に、坂井がジュニアユースに入ってきて、同じ寮だったので、ご飯に行ったり、かわいがっていましたね。ブラジル・ワールドカップにも帯同していましたし、今も連絡を取り合っています。彼はあの世代でキャプテンを務めていますし、技術もある。身体は小さいけど、激しいプレーもできる。このまま成長していって、ぜひオリンピックメンバー入りを果たしてほしいですね。

 僕はロンドン2012オリンピックに出場しましたが、メンバー発表の時は、ドキドキしていたのを覚えています。やっぱりオリンピックは若い世代にとって、憧れの大会。僕の中ではオリンピックを経由してワールドカップに行きたいという想いが強かったので、選ばれて嬉しかったし、2 年後のワールドカップにも出場できました。ただ欲を言えば、良い結果を残したかったんですけどね。あと一歩でメダルが獲れたのに、そこに手が届かなかったのは残念でした。

 オリンピックに出場して感じたのは、メダルを獲れる可能性は十分にあるということ。東京2020 オリンピックでもチャンスはあるはず。アドバイスを送るとすれば、自分たちの戦い方を早く確立すること。あとは、一体感を持ってやれればいいと思います。自国開催ということでプレッシャーもあるとは思いますが、重荷に感じず、楽しんでもらいたいですね。

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■清武選手の今を作った両親の厳しい子育て論

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小学生時代の清武選手

 今こうしてサッカー選手として生活できているのは、両親の存在が大きいと思います。父はサッカー少年団の監督をしていたので、練習でも家庭でも、僕ら3兄弟は厳しく育てられましたね。

 でも、今自分が父親になって思うのは、愛情を持って接してくれていたんだなということ。厳しいことを言われたり、怒られることはしょっちゅうありましたが、愛情があったから頑張れたし、厳しく育ててくれたからこそ、今の自分があると思っています。僕が中学2年生の時に、父が単身赴任で東京に行ってからは、母が代わりに厳しくなりました。男3人をひとりで育てるという責任感があったんでしょうね。

 高校の時は門限が7時で弟はもう少し遅かったから「なんで俺だけ7時なの?」と思ったんですが、母親に「あなたは人に流されやすいから」と言われました。確かに僕はそういう性格だったし、流されそうな日々もたくさんありました(笑)だから「ああ、母親はよく見ているな」って感心したのを覚えています。

 サッカーを続けるうえでも多くのサポートをしてくれましたし、いろんなことに感謝しています。一方で、自分でできることは自分でやらなければいけないということも教えられました。僕らは練習から帰ったら、ソックスだけは自分で洗って洗濯機にいれていました。自分が使った物だから自分で洗う。当たり前のことですが、そういうルールがあったのは良かったと思っています。

■夢の舞台を見て世界を知った衝撃 子どもの頃の経験が夢に繋がる

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 母は優しくもあったし、厳しくもあった。常に僕らのことを思ってくれていたし、今でもなにかあると連絡してきてくれます。何歳になっても、子どもは子どもなんでしょうね。そうやって思ってくれていることにいつも感謝の気持ちしかありません。

 もちろん、父にも感謝しています。思い出に残っているのは、僕が中1の時に日本で行われたワールドカップを観に行ったこと。これが世界のプレーかと衝撃を受けたのを覚えています。その時に、こういう舞台に立ってみたいと思いましたし、プロサッカー選手になりたいという想いをより強く持つきっかけになりました。

 そう考えると、東京2020オリンピックも、サッカー少年にとっては大きな夢を持つきっかけになる大会だと思います。世界のプレーを直に観られる機会はなかなかないですからね。

 決勝戦のチケットが当たるんですか?それはすごいですね。決勝を観られるなんて、最高じゃないですか。観に行く子どもたちには、憧れを抱くだけではなく、いつかは自分がこの舞台に立つという想いを持ちながら、観てほしいと思います。夢を自分の手でつかみに行ってほしいし、そういう願いを込めてサッカー少年が観に行くのであれば、最高の機会になると思います。ウチも4人家族なんで、応募してみようかな(笑)

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ロンドン2012オリンピックでは主力として活躍

清武弘嗣(きよたけ・ひろし)
1989年11月12日生まれ。大分県出身。セレッソ大阪の10番を背負う攻撃的MF。ドイツ、スペインリーグでもプレーした。


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