2020年８月最終日。ヴィッセル神戸のイニエスタ選手が、子どもたちを対象にした、オンライントークイベントを開催しました。それが「イニエスタ メソドロジー　オンラインサマースクール～イニエスタ選手による、スペシャルトークセッション」です。サカイクが運営したこのイベントでは、プロを目指す子どもたちに、イニエスタ選手がたくさんのためになるお話をしてくれました。後編では、イニエスタ選手のプレーや家庭での過ごし方について、話は進んでいきます。（記事：鈴木智之）

４人のお子さんのパパでもあるイニエスタ選手。息子さんもサッカーが好きで、週に２回、イニエスタメソドロジーのクラスに通っているそうです。
「私の息子は、家の中でも毎日サッカーボールを蹴っています（笑）。彼自身、まだ小さい年齢なので、やるべきことに集中して、たくさんのことを学んでほしいと願っています。そして何よりも大切なことは、サッカーを楽しむこと。自分がやることを楽しんで、ワクワクすることを忘れずに取り組んでほしいです」

家族と過ごす時間を大切にするイニエスタ選手。普段は聞くことのできない、家族とのエピソードを明かしてくれました。

「朝は早く起きて、家族みんなであいさつをして、朝ごはんを食べます。その後、子どもは学校に行く準備をし、私は練習に行きます。夏は暑いので、練習は午前中に行っています。そのためにも早起きしています。昔は寝るのが好きだったのですが、子どもが生まれてからは早起きになりました」

イベントの後半では、質疑応答が行われました。子どもたちは、イニエスタ選手にアドバイスをもらいたくて、たくさんの質問を考えてきてくれたようです。

ゴールキーパーをしているお子さんの「チームメイトとして、どんなゴールキーパーが心強いですか？」という質問には「チームに自信を与えることのできるゴールキーパーは心強いと思います。ゴールキーパーも、自分の決断に自信を持つことが大切です。最後尾からチームを組織することや、ディフェンスラインを統率することなども求められますが、何より大切なのはチームに安心感を与えることだと思います」と、実体験をもとに話してくれました。

イニエスタ選手といえば、ディフェンダーの間を通す、鋭いパスが特徴的です。FCバルセロナやスペイン代表、そしてヴィッセル神戸でも、鮮やかなパスでチームメイトのゴールを演出してきました。

「ゴール前で味方へパスをするときに、どのようなことに気をつけていますか？」という質問に対しては「状況を観察する中で、一番良い位置にいるチームメイトを探し、自分だけの判断ではなく、チームメイトの動きに合わせながら、最高の決断をすることを意識しています」と秘訣を明かしてくれました。

また、サッカーは一人ではできないことを強調し、チームメイトと助け合ってプレーすることの大切さも説いていました。これはFCバルセロナの哲学でもあります。

「成功するため、結果を出すためには、周りに助けてくれる人が必要です、スポーツにおいて、成功と失敗の間にはわずかな差しかありません。成功をつかむためには、全力で取り組むこと。それが大前提です。その姿勢で取り組んだ上で、たくさんの要素が重なり、プラス要素があればあるほど、成功に近づいていきます。短期的ではなく、長期的に成功するため、コンスタントに安定した力を発揮するためには、周りのサポートが不可欠だと思います」

子どもたちからの質問に対し、熱心に答えてくれたイニエスタ選手。最後に、こんなメッセージを送ってくれました。

「（新型コロナウイルスなどで）社会は厳しい状況が続いています。それぞれの立場でできることをやり、助け合って生活していきましょう。個人的には、サッカーを楽しんで、自分の周りにいる人と一緒に過ごせることを大切にしたいと思っています。何よりもいまは、健康でいることが一番だと思うので、それに幸せを感じながら、毎日ポジティブな気持ちを持ち、これまで頑張ってきたことを継続して、良い日々を過ごしましょう」

質疑応答の後には、イニエスタ選手のサイン入りユニフォームが当たる抽選会を実施。イニエスタ選手自らくじを引き、当選番号を読み上げるなど、ここでしか見ることのできない、素敵な一面を披露していました。参加した子どもたちは、イニエスタ選手との対話を通じて、世界的なスターを身近に感じることができたのではないでしょうか。

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