"サッカー指導者のためのオンラインセミナー"『COACH UNITED ACADEMY』会員の方々が、動画を始めとする情報をどのように役立てているかを紹介するこの企画。今回登場してくれたのは、宮城県仙台市で活動する『台原サッカースポーツ少年団』の伊藤元気さんだ。

学生時代は千葉県のクラブ、フッチボールSurfや名門・習志野高校でプレーし、その後、仙台大学へ進学し指導の道に入った伊藤さんに、COACH UNITED ACADEMYの活用方法と指導に対する想いを聞いた。（文・鈴木智之）

（台原サッカースポーツ少年団で指導する伊藤元気さん）

保護者との対話にもCOACH UNITED ACADEMYの情報を活用

JFA指導者ライセンスB級を保持する伊藤元気さんは、台原サッカースポーツ少年団の副代表を務め、子どもたちの指導や指導者の育成にあたっている。

大学在学中に、仙台YMCAでコーチとして活動し、卒業後は民間企業で働きながら、会社のサッカー部で３年ほどプレー。その後、息子さんが台原サッカースポーツ少年団に入団した。

最初は審判などの手伝いをしていたが、指導にも関わるようになった。現在では青少年教育のCSR活動に力を入れている（株）エルエスシーに勤務し、会社に支援を受けながらクラブ運営をしている。指導歴は大学時代から合わせて15年になる。

台原サッカースポーツ少年団は仙台市の青葉区で活動しており、台原小学校の選手で構成されている。団員は小学１年生から６年生まで、約30名ほど。指導者はメインの５人に加え、保護者コーチが担っている。

指導内容を含め、全体を統括する立場にある伊藤さんは、指導者の育成や保護者対応に、COACH UNITED ACADEMYで得た知識を役立てているという。

「保護者の方には、『不安はいつか不満に変わるので、不安な時は必ず質問してくださいね』と言っているのですが、そうすると、たくさんの質問が寄せられます」

質問は多岐にわたり、『うちの子、メンタル弱いんですけど、どうしたらいいですか？』『コミュニケーションスキルがなくて』など精神的なことから、戦術やフィジカルについてなど、様々なものがあるという。

「保護者の方や指導者仲間からの質問にお答えするときに、COACH UNITED ACADEMYのコンテンツを参考にしています。COACH UNITED ACADEMYはメンタル、コミュニケーション、フィジカルなど、情報が整理されているので見やすいんですよね。本だと『たしか、あの本に書いてあったよな』と思いながら探すけど、なかなか見つからなくて苦労することもありますから」

大学時代から、サッカー指導に携わっていた伊藤さん。スポーツを体系立てて学ぶことは好きだったという。

「台原サッカースポーツ少年団の周知事項に『継続性、公平性、学習が指導者の条件』と明文化しています。『学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない』という言葉がありますが、指導をする以上、コーチは学ぶことを続ける必要があると思っています」

「コーチングで意識するポイントもわかりやすいです」（伊藤さん）

COACH UNITED ACADEMYは有料（月額980円）だが、「コンテンツとしては安いと感じる」と話す。

「入会すると過去の映像も見られますし、コンテンツが整理されて、知りたい情報にすぐにたどり着くことができます。指導者に向けて話をするときは、この情報。保護者に対してはこの情報と、様々な情報が集約されているのは便利ですよね」

伊藤さんはCOACH UNITED ACADEMYだけでなく、指導や保護者対応にサカイクも活用しているという。

「サカイクさんは以前から見させてもらっていて、その会社が作っているとは知らずにCOACH UNITED ACADEMYに入会しました（笑）。U-8からU-12と、年代に合わせた指導の方法や、ビギナー向け、エキスパート向けと分かれているので、ユーザーの視点に立って作られていると感じています」

昨今、YouTubeを見れば、トレーニング方法を知ることができる。伊藤さんは「YouTubeは『このスキルを身につけさせたい』といった明確な目的があるときに、ピンポイントで情報を得るのには向いているかもしれません」と前置きし、次のように続ける。

「COACH UNITED ACADEMYはトレーニングのオーガナイズに加えて、コーチングをする際に意識するポイントもわかりやすいです。指導の情報は世の中にたくさんありますが、COACH UNITED ACADEMYの動画は、その中でもかなり質が高いと感じます」

日々、動画を熱心に視聴している伊藤さん。印象に残っている動画は、中学時代に指導を受けたことのあるゼムノビッチ氏や、育成年代の指導経験が豊富な池上正氏が出演しているものだという。

「池上さんの指導はすごく好きで、子どもたちが楽しみながら、考えながら取り組む結果、上手くなっていくところに共感します。指導者がオーガナイズを工夫して、楽しんでサッカーをする中で上手くなることが理想だと思っているので、動画を参考にさせてもらっています」

トレーニング動画では、U-10年代向けの「ボールを奪われないドリブルの仕方」などを取り入れたこともあるそうで、その際に「動画で見た練習をそのままするのではなく、子どもたちのレベルや人数などに合わせて調節することを心がけています」と話す。

「動画を見て勉強したことを、そのままやらせるのではなく、『どうすれば、子どもたちがこのテーマを習得できるのか？』を考えて取り組むことが重要だと思っています。COACH UNITED ACADEMYには、たくさんの指導者の方が、トレーニングや理論を紹介してくださっているので、『この練習は子どもたちに受けるんじゃないか？』などと考えながらルールを工夫したりと、子どもたちに合った形で取り入れさせてもらっています」

インタビューの語り口から、日々勉強を続け、子どもたち、指導者仲間、保護者、クラブと真剣に向き合っている姿が垣間見える伊藤さん。今後も子どもたちのため、クラブのために、自己研鑽を続けていく。