インタビュー
「誰かのために動く」ことが、子どもを強くする。モンテディオ山形のブックドライブに見る "応援の力"の育て方
公開:2025年11月10日 更新:2025年11月28日
おうちに眠っている本を、スタジアムに持って行くだけで、誰かの仕事を生み出す仕組みがあります。モンテディオ山形が取り組む「ブックドライブ」は、そんな"やさしい応援"を広げる活動です。
■本を手放すことが、"思いやり"を育てるきっかけに
ブックドライブでは、集まった本が障がいのある方の就労支援施設に送られ、丁寧にクリーニングされ、ネットで販売されます。売上は工賃として働く方々に還元される仕組みです。つまり、寄付した本が"誰かのしごと"になります。
![]()
モンテディオ山形の担当者は、「元々は就労継続支援B型事業所の工賃が全国ワースト2位という地域課題がありました。仕事そのものが不足している状況を解決する方法として、フードドライブに似た『ブックドライブ』の提案を受け、活動を始めました。本を集め、検品・クリーニング・再販する一連のプロセスが"仕事"となり、売上の一部が工賃として還元される仕組みです」と説明します。
この取り組みは、福祉だけでなく、本の再利用という環境面でも地域に貢献できる活動です。また、株式会社ネットプロテクションズは、山形での成功事例を他地域にも展開できる「社会貢献の横展開モデル」と位置付けています。
![]()
■「応援する」って、声を出すことだけじゃない
この取り組みが始まった背景には、山形県が抱える地域の課題があります。障がい者就労施設の工賃は全国平均を下回り、「仕事そのものが足りない」という現状があったのです。クラブ、行政、福祉法人、企業----それぞれが持つ力を持ち寄り、地域を支える仕組みを作り上げたのがブックドライブです。
「サッカーを応援する」ことの意味を、スタジアムの外にも広げる挑戦です。応援とは、誰かの力になりたいと願う気持ち。その思いを行動に変える力こそ、子どもがサッカーを通して育む"生きる力"につながります。
![]()
■サッカーが教えてくれる、「誰かを支える勇気」
ブックドライブを支えるのは、地域の人たちや行政、仕組みを整える企業の存在です。しかし、活動の主役はあくまで、"本を持ってくる人"や"応援する人たち"。自分の行動が誰かの笑顔につながる。その実感が、子どもの中に"応援する力"を根づかせます。
ブックドライブは、サッカーが持つ「つながる力」を社会の中で形にした取り組みです。スタジアムで声を張り上げる応援も、おうちの本を手渡す静かな応援も、どちらも同じ"誰かを思う気持ち"から生まれています。子どもたちにその心が育てば、サッカーも社会も、もっと優しく強くなっていくでしょう。
![]()
<ブックドライブに関するお問い合わせ>
株式会社ネットプロテクションズ 広報担当
Email:pr@netprotections.co.jp
▼社会貢献活動紹介:
https://corp.netprotections.com/company/social-activity/