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【第2回】ゴールに鍵をかける国 イタリアの守備に対する考え方とは?-「育成年代における守備」

公開:2010年12月26日 更新:2011年8月31日

キーワード:イタリアディフェンス守備海外サッカー

なぜ、イタリアの守備は強いのか? その疑問に答えてくれるのが、ペルージャやミランのスクールでの指導経験を持つ、フィジカルコーチの井田征次郎氏です。2回目の今回は『イタリア人の育成年代における守備の考え方』について、話を聞きました。

■イタリア人の育成年代における守備の考え方

写真/Enrico Calderoni/AFLO SPORT
000216.jpg80年代から90年代に活躍したフランコ・バレージ(写真中央/背番号6の選手)のように、イタリアからは守備のスペシャリストが多く誕生します。また、組織立った守備を持ち味とするチームも少なくありません。イタリア人選手の多くが、育成年代の内から守備を叩き込まれているのでしょうか? 井田氏に尋ねると、こう答えてくれました。

「イタリア人は守備を重視しますが、育成年代で守備を徹底的に教え込むかというと、決してそうではありません。イタリアの場合、年齢によって人数やグラウンドの広さが変わるんですね。6~8歳は5人制、9歳は6人制です。10歳は7人制、11歳は9人制。そして12歳でようやく11人制のサッカーが始まります。5人制や6人制の場合、人数が少ないので、より『個人対個人』の局面が多くなります。そこでは『1対1で負けないこと』が重要視されます」(井田氏)

1対1の局面=個人と個人のぶつかり合いです。イタリア人の『負けず嫌い』には第1回でも触れましたが、井田さんは何度もその姿を目の当たりにしたそうです。

「選手たちには練習の時から『1対1のときは激しく行こう』と伝えます。というか、伝えなくても彼らは十分激しいんです(笑)。イタリア人が生まれ持ったメンタリティなのか、彼らは負けず嫌いなので、ときにはボールの奪い合いで相手をつかんだり、投げ合いになることもあります。もちろんそれはファウルなのですが、練習中は『やめろ』と注意する場面は少ないですね。それよりも、『だまって簡単に抜かれるな』という意識の方が強いんです。それは選手たちもわかっているので、少しつかんだぐらいではケンカになりません。私が見ていた、ミランの育成部の選手たちはかなり激しくやり合っていましたね」(同氏)

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