株式会社黒衣(くろご)が開発・販売するスポーツソックス用スベリ止め剤「グリッパー」。ソックスの足裏に塗って乾かすことで滑り止めソックスと同等の効果を生むこの画期的な製品について、同社の榊井さんにお話を伺います。
前編では開発の経緯を伺いましたが、今回はサッカー選手にとって、そしてジュニア年代から足裏の滑り止めが必要な理由について語っていただきました。
しっかりキックをするためにもグリップ力は重要(写真はサカイクキャンプより)
前回記事|"コンマ一秒"にこだわる!プロの声から生まれた画期的なスベリ止め「グリッパ―」とは?
■日本人選手に足りない「背中の筋力」
グリッパーが足裏から引き出す高パフォーマンスの理由について、榊井さんは前提として"背中を使う"こととの重要性を知ることがポイントだと語ります。 「最近の傾向としてプレー時に"背中が重要"だと言われるようになりました。この大切さは私自身も感じています。体の後ろ側にある筋肉というのは、立った時に姿勢を保持する筋肉と言われているのですが、普段から"使用している感じ"がないんです。使ってても疲れないのに、大きな力を発揮できる可能性を秘めているものです。」
ただ、日本人はその背中をうまく使えていないと、榊井さんは続けて語ります。
「日本人は昔からの生活で、正座をするために膝をよく使うと言われています。また、日本人は頑張る時に腕を前に出してガッツポーズをしますよね。要は、"体の前側に力を入れる"というのが頭の中に染み付いてるんです。ただ皆さんがよく知っているクリスティアーノ・ロナウドを見るとわかると思うのですが、背中に力が入っており、姿勢も正しくスッと伸びています。プレーごとの力を保持することを、後ろの筋肉を使うことによって行なっているんですね。
近年、"頑張ってはダメ"という指導法が徐々に広がっていますが、これは「体の前側の筋肉に力を入れすぎてはいけない」という意味でとても的確です。ただ、それと同時に"後ろ側の筋肉を使う"という教育がもっと必要だと考えています。
C・ロナウドは背中の筋肉を使っているため体勢が崩れにくい(Photo by GettyImages)
■なぜ足裏の滑り止めが背中の力を引き出すのか?
そもそも、背中の筋力を引きだすためには、足の裏が非常に重要になるんです。背面の筋肉は、額から頭頂部、背中へとすべて繋がっていて、その先端が足の裏。だから、背中の筋肉のスイッチを入れるには、足の裏がしっかり地面と噛み合う必要があります。筋肉は伸びている状態から縮まったときに最も力が入りますから、足の裏でこの動きができるようになると腿の裏から背中にかけて力が伝わり、パフォーマンスが上がるんです。」
その"足の裏を噛み合わせる"というところのサポートにおいて「グリッパー」が役に立ちます。
榊井さん曰く、いま子供達の多くが浮き指になっており、足の裏から背中の筋力を引き出す機能がうまくできていない状況があるようです。
「足の裏を正しく使うには足の指をテント状に張って、足の指腹で地面を蹴るということが大事」とのことですが、ここで足裏のグリップを効かせることが、その指腹の動きをサポートすることになります。さらに、グリップを効かせて足裏を使うようになることが、体の後ろ側の筋肉をたくさん使うことに繋がり、筋力アップに繋がるのです。
ジュニア年代から背中の筋肉を使う習慣をつけることが必要(写真はサカイクキャンプより)
育成年代における日本と世界の差で、体の厚みや大きさという点が上げられますが、ジュニア年代から背中の筋肉を使うことが、その差を埋めるサポートになる可能性が大いにあるとのことです。
■プロが持つこだわりをジュニア年代でも体感してほしい
サッカーにおいて各ポジション、プレースタイルごとに"どこのグリップを効かせるか"を考えてアレンジできるのもこの製品の1つの魅力。ベースとなる塗り方はもちろんありますが、自ら調べ、研究することを奨励していると榊井さんは言います。加えて、サッカー以外の他の競技に転用できるのも大きな特徴とのこと。
「フットサル選手なんかは特に足の裏の感覚がすごく大事ですから、塗ることによって力を発揮できる、強くなれるだけではなく、ボールとのフィーリングも良くなることもあります。ですから、こちらとしても好きなように使ってもらえたら良いなと考えているんです。もちろんベースの情報としては"ここが大事です"ということは発信しますけど、そのあとは頭を使って『こうなりたい、こういうプレーをしたいからここに塗ってみる』というような感覚で使ってほしい。常にイメージを持って、それを働かせながらプレーに臨んでほしいですね。」
サッカー以外でも利用されている「グリッパ―」。緑の部分に塗ることを推奨している
高いパフォーマンスを発揮できるようにしてもらいたい、若いときから背中の力を発揮できるような契機を与えたいという思いに加え、"プロが持つこだわり"を、アマチュアからジュニアの領域でも求めてほしいということも、榊井さんが届けたいメッセージの1つ。
「背中が大事というのはトップの選手も言っているんです。背中を使うには地面と接してる足の裏が大切ですよ、と。このメッセージが若い子たちに届いてもらえると嬉しいです。既に販売されている滑り止めソックスを選んでもらっても良いし、それに合わせてグリッパ―を使ってもらえたら良いと思います。そして、"コンマ1秒のこだわり"というのは、プロだけではなくみんなが求めてほしいですし、グリッパ―を通じてプロのこだわりを体感できれば、将来スポーツ以外の別のフィールドでも役に立つと思うんです。"プロはここまでこだわってやってる"ということを提供できたらな、と強く思っています。」
ジュニア年代の選手にプロのこだわりを体感してほしいと語る榊井さん
背中の力を引き出すための、足の裏。意外な観点ですが、そこへのこだわりが新たな世界を見せることになるかもしれません。東京五輪を目指す多くの若いサッカー選手も使用している「グリッパ―」を通じて、"プロの持つこだわり"を体感してみてはいかがでしょうか。
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株式会社 黒衣(クロゴ)
2015年8月設立。医療、介護、保健衛生に関する施設運営や健康管理、スポーツトレーニングに係る指導、コンサルティング、スクールの運営などを行っている。
縁の下の力持ちである黒子(黒衣)としてアスリートをサポートしたいという思いから、社名を「黒衣(クロゴ)」と命名。
サポートしているプロアスリートの声をもとに、プロはもちろんアスリートの感覚を一般のユーザーにも提供できる独自の製品を開発している。
【新発売】“塗るだけ”で普通のソックスが滑らなくなる!
プロの声から生まれたスベリ止め剤「グリッパ―」
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