サッカーの1チームの人数は11人ですが、小学生の場合は8人で試合が行われることがルールで定められてます。そのため、コートのサイズも大人のサッカーとは異なる点が特徴です。
この記事では、なぜ少年サッカーは8人制で試合を行うのか、メリットを取り上げながらその理由について解説します。また、8人制がいつから行われているのか、11人制に移行するタイミングや海外の事例などについても解説します。ぜひ参考にしてみてください。
小学生のサッカーは8人制
サッカーは本来1チーム11人で試合を行いますが、小学生の試合は8人制で行われます。これは、2011年から導入されているもので、ボールに関わる時間増やす・プレー回数を増やすことを通して子どもたちの成長を促すことが目的とされています。小学生年代の全国大会である全日本少年サッカー大会も8人制で行われているなど、小学生のサッカーにおける大きな特徴の1つだと言えるでしょう。
11人制への移行は中学生以降
8人制のサッカーはU-12(12歳以下)での実施が推奨されています。そのため、本来の人数である11人制への移行は基本的に中学生以降です。しかし、チームによっては、小学6年制の後半ぐらいから少しずつ11人制に取り組み始めるケースもあります。
8人制サッカーのメリット
8人で行うサッカーは、11人制とは様々な面で違いがあります。ここでは、8人制のメリットについて解説します。
ボールに触れる回数が増える
8人制の場合、1人あたりのボールに触れる回数が11人制よりも増えます。選手として成長するためには、試合で実際にボールに触ってプレーすることが重要です。8人制はプレーの回数という意味で選手にとって大きなメリットがあると言えるでしょう。
攻守に全員が関わる
8人制は人数が少ないため、攻守に全員が関わっていく必要があります。そのため、ディフェンスの選手がゴール前まで上がって得点する、フォワードがゴール前で守備をするといったことも珍しくありません。サッカーにおいては、ポジションに関係なく選手が攻守両面において関わることが重要です。8人制は、攻守両面に関わる状況を作りやすい環境だと言えます。
シュートチャンスが増える
8人制はコートも小さくなるため、ゴールまでの距離が近くシュートチャンスが増えます。実際に11人制と比較しても、1人あたりのシュート数やペナルティエリアへの侵入回数が増えているそうです。シュートが増えるということは、ゴール前での守備の機会も増えます。そのため、守備の質を高めることにもつながるでしょう。
運営時のメリット
8人制のサッカーは、選手だけでなく、運営側にとってもメリットがあります。どういったメリットなのか解説します。
1つのコートで2試合ができる
先述の通り、8人制のサッカーはコートのサイズが11人制よりも小さくなります。コートサイズは正規のピッチのハーフコート程度となるため、1つのピッチがあれば、2試合を同時並行して行うことができます。11人制だとコート1つで両チーム合わせて22人の選手がプレーしますが、8人制であれば、コート1つに合計4チーム32人の選手がプレーすることが可能です。
公式戦に複数チーム出しやすくなる
小学生の大会では、同一チームから複数のチームを参加させることを認めているケースが少なくありません。このような時、8人制であれば、複数チームを出しやすくなります。例えば、16人の選手がいるチームの場合、11人制だと1チームしか参加できず、5人の選手はベンチで試合を見ることになります。しかし、8人制であれば、2チーム出すことができ16人全員がスタメンとして試合に出場できます。
海外の事例
小学生が8人制で試合をするのは、日本のやり方です。海外の場合、日本とは違った形をとっているところも少なくありません。例えば、ドイツの場合U-9までは5人制の試合を行い、U-13では9人制の試合を行います。また、5人制サッカーの場合、コートの大きさは1つのピッチを4分割したサイズで行われており、1つのコートで4試合の同時開催が可能です。ただし、人数は絶対的なものではなく、状況を見て変更することもあるそうです。
まとめ
今回は、小学生のサッカーが8人制を採用している点について、その背景やメリットなどについて解説しました。8人制は、プレーの機会の増加やゴール前での攻防の増加など選手を成長させる要素がたくさん存在します。お子さんの試合を観戦する際もこれらの点を踏まえて観戦すると、より試合が面白くなるかもしれません。