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「お前たちが考えていることはどうでもいい」監督にもコーチにも相談できない学生プレーヤーたちの苦悩

公開:2021年11月18日

キーワード:いじめサッカー部マネージャー連帯責任部活

大人になってから学ぶサッカーの本質とは」を運営し、育成年代のサッカーの本質を伝える活動をしているKEI IMAIさん。

育成年代の指導現場の問題を提起する記事を出すと、それを読んだ若い子からTwitterや、Instagram、Facebookで相談が来るそうです。

相談内容は、指導者、監督の暴言、理不尽な練習がほとんどなのですが、このような内容は事実確認が難しいため、実際にオンラインで話を聞いて詳細をヒアリングすることもあるのだとか。

実際に話を聞いてみると、今の時代に信じがたいような指導を受けているという内容が実に多いのだそうです。

今回は、2つほど例として実際に相談にきた学生の話を紹介します。
(構成・文:KEI IMAI)

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【関連記事】子どもたちにサッカーを「教える」ことよりも、大切にしなければならないこと

 

■都内の強豪高校サッカー部の生徒の話

「突然のメッセージ失礼いたします。◯◯高校サッカー部の◯◯と申します。noteを拝見してご連絡させていただきました。 自分がモヤっと感じていることがとても鮮明に書かれていてお話を聞いてみたいと思いご連絡しました。自分が今置かれている状況をご相談させていただけないでしょうか」

高校生からくるメッセージの中では、とてもしっかりとした文章だったのが印象的で、一度オンラインで話を聞いてみることにしました。

実際に話を聞いてみると、ジュニアユース時代は、Jクラブの下部組織で世代別代表にも選ばれた経験のある実績がある子で、受け答えもしっかりとしていました。

以下に、彼から聞いた話を紹介します。
※コメントはzoom録画の内容を要約しています

 

■指導者に感じる違和感

「常に一方的な指示というか命令で、言われた通りにやらないと罰走になるか干されます。試合に出してもらえないどころか、練習でも無視されます。心を入れ替えてやる気を見せろということだと思います。自分が一度干された時、やっぱり試合に出ないと成長しないので、言うことを聞いて練習も必死にやりました。それでまた試合に出るチャンスはもらえたのですが、ずっと違和感というか納得がいかなくて胸に何か引っかかったままずっとプレーしています。ジュニアユース時代の指導者は、一人ひとりと向き合って、どこをどう伸ばせば良いか常に対話して成長する実感を感じながらトレーニングできたので、その頃受けた指導とのギャップがすごくて、とても納得いかないというか...」

監督とコーチに考えていることを伝えたの? と聞くと、

「あまりにも機械的で固定的なプレースタイルに選手が適応できていないので、もう少し選手たちの特徴を活かしたプレースタイルができないかと選手個々の性格や特徴を伝えました。あと、試合前の明らかに過度な練習でパフォーマンスが落ちていたので、その調整をしてほしいと伝えました」

そしたらどんな反応だったの?

お前たちが考えてることはどうでもいい、プレースタイルは俺たちが決めること。試合に出るために必要な情報は伝えている。それについてこれないから結果がついてこない。とにかく必死に練習しろと。試合でパフォーマンスが出せない理由は過度なトレーニングではなくお前らの弱さであるということを言われました。話しても意味がないと思いましたし、優れた選手の何人かはサッカー部を辞めていきました」

この話を聞いて、私は単純にチームのプレースタイルに合わないという結論で片付けてはいけないと思いました。

少なくとも、育成年代の指導者であるならば、選手と向き合って対話をするスタンスが必要だと思います。一方的過ぎますし、こんな理由でサッカー部を辞めてしまうというのはあまりにも理不尽だと思います。

彼は、このような相談ができる人が身近にいないと言っていました。

 

■連帯責任でサッカーがトラウマになったマネージャーの話

また、半年ほど前こんなDMが届きました。

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本人の許諾を得てダイレクトメールの画面を掲載させていただいております。

 

「お前のせいで罰走だよ。まじふざけんなよ」

これがきっかけでいじめとか普通にはじまります、と某高校のサッカー部の子が言ってました。

「連帯責任」的なものを設計する指導者は"いじめ"を生み出している可能性を自覚してほしい。

出典:Twitter:KEI IMAIさんのTwitter投稿より

 

サッカー部のマネージャーが連帯責任によるいじめを受けたなんて信じられないことですし、そして死にたいと思わせてしまった指導者、チームに猛烈な怒りを感じました。

このチームの指導者は当然許せないのですが、部員もあまりにもサッカー以前の大事な感覚が欠如しているように思います。

誰も助けてくれなかった......。

このいじめを目の当たりにしていた部員が助けられない、感じることができない、おかしなことだと声をあげられない。そんなチームが良いサッカーができるわけがありません。仲間と助け合い、ともに成長していくというベースの繋がりが育まれなければサッカーにはならないのです。

連帯責任による罰がいじめを助長するというのは、考えてみれば当然の話です。連帯責任文化は早く終わらせるべきだと思います。

そしてなにより問題なのは、管理者である先生や監督、コーチが問題の起点になっていて相談できない、相談しても聞いてもらえないことだと思います。

今回の2件は、いずれも指導者として、いや大人として当然ケアしなければならない問題だと思います。

このマネージャーの話は以前noteにも書きました。

該当記事はこちら>> 

このnoteにも、たくさんの反響がありました。

連帯責任によるいじめを受けたという子や、いじめられた子の親御さんからも複数件連絡をいただきました。

同じような話は全国にあるということです。

少しでもこのようなことで苦しむ子を減らしていかないといけないと思います。

JFAの相談窓口もありますので、苦しんでいる子は一度相談してみてください。

暴力等根絶相談窓口

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構成・文:KEI IMAI

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