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【第14回】森崎ツインズ(サンフレッチェ広島)のワンポイントサッカー講座 トラップが次のプレーを決める編①
公開:2011年3月20日 更新:2011年8月31日
現在、サンフレッチェ広島で双子のプレーヤーとして活躍中の森崎浩司選手と森崎和幸選手。この森崎ツインズが小学生プレーヤーのためにサッカー上達のヒントを伝授するコーナー。今回は和幸選手が教えてくれる「トラップの大切さについて」です。
■各ポジションにおけるトラップの大切さ①
すべてのポジションにおいて、トラップを確実に行うことによるプラスがあります。
FWがトラップする場面を想像すれば、DFを背負っていたり、進行方向から相手DFが迫ってきていたりしますよね。そうしたとき、トラップをする位置は、やはりとても大事なんです。 DFを背負っていて、トラップで前を向けるのであれば、ファーストタッチで素早く抜け出すことができる。また、DFのマークが厳しく、前を向けないのであればプレーを変更し、横、もしくは足下にトラップする柔軟性も必要でしょう。ピッチ全体を見て、ゴール前は最もプレッシャーの厳しいエリアです。そうした中で、思い通りのプレーをするには、トラップの正確さが勝負を分けます。少しでもずれてしまえば、相手が寄せてきてシュートは打てなくなります。自分がイメージしている、または得意としている足でシュートを打つには、どこにボールを置けばいいのか。イメージ通りにトラップする技術が、ゴール前ではより重要になるのです。
次に中盤の2列目をはじめ、パサーとしてプレーする選手たち。彼らは、ファーストタッチを、いかに自分の思い通りの場所にコントロールするかで、次のプレーをパスにするのか、それともドリブルにするのかが変わってきます。これはFWにもいえることなのですが、パスを受けたファーストタッチで、前を向くことができれば、相手DFは飛び込めなくなります。すなわち精神的にも優位に立てるのです。その瞬間、相手と間合いが生まれ、パスやドリブルなど、(次のプレーに)無数の選択肢が生まれる。 トラップで前を向ければ、FWやMFにとっては大きな強みになり、DFにとっては非常に守るのが難しくなる。ちなみに僕は、プロになった今も、トラップで前を向くプレーが苦手だったりします(笑)。みんなが前を向くトラップを習得する前に、自分もしっかりできるように、克服したいと思います。
森崎浩司選手(左)&森崎和幸選手(右)//
ともに2000年にサンフレッチェ広島へ加入した双子のMF。双子ならではの抜群のコンビネーションでサンフレッチェの中盤をコントロール。高度な技術と知性で、攻守に渡ってチームに貢献している。
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