テクニック
なでしこジャパン・佐々木則夫監督が小学5年生以下の女子選手に行ったサッカークリニックのメニューを公開!
公開:2012年6月28日 更新:2012年6月27日
6月10日(日)、埼玉県さいたま市の埼玉スタジアム2002第2グラウンドにて、adidas all dream Football Clinic 埼玉(主催:アディダス ジャパン株式会社)があり、ロンドン五輪に向けたスウェーデンでの強化合宿を目前に控えた、なでしこジャパン(日本女子サッカー代表)の佐々木則夫監督が、埼玉県をはじめとする関東地方の小学5年生以下の女子サッカー選手142名とサッカーを通してふれあいました。
クリニック冒頭での佐々木監督のユーモアある話に、はじめは緊張気味だった女子選手たちも和んだ雰囲気で聞いていましたが、「ミスをしてもいいから、どんどんチャレンジしてみよう!やったことのないことにも失敗することを怖がらないで挑戦すること。成功の反対は失敗ではなくて、成功の反対はチャレンジしないこと。それができない選手は、なでしこジャパンには選ばない!」との一言に、未来のなでしこジャパン候補である彼女たちの顔つきも変わりました。降りしきる雨をものともせず、俄然やる気モードにスイッチが入った様子でした。コーチ陣の紹介が終わると、選手たちは待ちきれなかったかのように、丹念に刈り揃えられた天然芝のピッチの上に飛び出しました。
それでは、2011年FIFAバロンドール女子最優秀監督賞を受賞した佐々木則夫監督のクリニックで実践されたメニューと佐々木監督が選出した5名の優秀選手をご紹介しましょう。
MENU 1 判断力を鍛えるためのグリッド・チェンジ
【進め方】
- ボールはひとりひとつ用意する。
- コーチの笛を合図にグリッド内を自由にドリブルする。
- コーチの「GO!」の声でグリッドを移る。
- グリッドをチェンジするパターンは、縦、横、斜めなど、バリエーションをつける。
- グリッドを移ったら、ふたたびドリブルを始める。
【ポイント】
- ボールにばかり注目していると、仲間にぶつかってしまうということを意識させる。
- すれ違うときには、相手の動作をみて、どちらの方向にかわせばよいのか判断をする。
MENU 2 判断力を鍛えるためのミニゲーム
【進め方】
- 同じ人数で2チームに分かれ、タッチラインに沿って並ぶ。
- コーチは人数を指定して、ボールを投げ入れる。
- コーチの言った人数の選手がコートにでてゲームを始める。
- ゴールしたか、ボールがコートからでたら交代。
- ゴールをしたときには、チーム全員で喜ばなければ、得点は認められない。
- ゲームをおえたら元の位置に戻る。
- 環境や人数を考慮し、無理のない時間で繰り返す。
【ポイント】
- なでしこジャパンの目指すのは「チームメイトと共感しながらサッカーを楽しむ」こと。ゴールをしたときにチーム全体で喜ぶのは、そのための重要なポイント。
- 選手は自分の出番を判断する要素として、ゲームの様子とコーチの声に注目しなければならないが、コーチは、はじめからポイントをすべて説明してしまうのではなくヒントを与えるだけにする。
- プレーを終えた選手は、コーチが次の指示に「全員」と言う可能性も考えると、素早くタッチラインに戻らなければならない。次の行動への気持ちの切り替えが必要となる。
■■優秀選手のコメント■■
佐々木監督が選出した5名の優秀選手をご紹介します。選手たちには、クリニックの感想、将来の夢、憧れの選手、ロンドン五輪で期待すること、そしてアカデミーでの目標などをインタビューしてみました。今後、優秀選手は、日本サッカー協会の運営するJFAアカデミーへ体験入学をし、JFA所属コーチ陣からの指導を受けることができます。
■石倉花純さん(小学5年生)
将来の夢は、なでしこジャパンの10番になって、ワールドカップで優勝することです。目標としているのは宮間あや選手です。佐々木監督は日本女子代表を教えている監督なので、きょうのトレーニングを普段も練習したいと思いました。ロンドン五輪では、ワールドカップのように優勝してほしいです。
■須藤莉奈さん(小学5年生)
いつもと違う練習を佐々木監督に教えてもらえたのがよかったです。将来の夢は、なでしこジャパンに入って得点王になりたいです。憧れの川澄奈穂美選手には、ロンドン五輪でも、たくさん点を取って欲しいです。アカデミーでは、冷静に状況判断ができるように、がんばりたいです。
■笹川奈々美さん(小学5年生)
きょう佐々木監督に会って教えてもらったことを、これからの自分のプレーに活かしたいです。憧れは沢穂希選手です。なでしこジャパンには、ロンドン五輪でぜひ金メダルを取って欲しいです。アカデミーでは、ドリブルで相手を抜いたり、点を取ったりしたいです。全力でがんばります!
■上田佳奈さん(小学5年生)
有名な佐々木監督に教えてもらったことをたくさん練習して、もっと上手くなりたいと思いました。将来はなでしこジャパンの一員になって、チームに貢献できるような選手になりたいです。アカデミーでも、きょうのようなプレーをして、みんなに認められるようになりたいです。ロンドン五輪では、最後まであきらめないで、全力を尽くして欲しいです。
■佐藤夏美さん(小学5年生)
佐々木監督に会って教えてもらったことを活かして、もっと上手い選手になりたいと思いました。将来の夢はなでしこジャパンに入って、たくさん得点を取ることです。これからアカデミーに参加する日まで、いっぱい練習をして、きょうよりも上手になって最高のプレーができるように準備したいです。
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取材・文・写真/山本浩之