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テクニック

狭いスペースでポゼッションの技術を高める/香川真司を輩出したFCみやぎバルセロナの個人戦術の強化方法

公開:2020年7月17日

キーワード:1対1FCみやぎバルセロナパス&コントロール香川真司

香川真司を始め、技術に優れた選手の育成を目指す、FCみやぎバルセロナ。COACH UNITED ACADEMYでは、ジュニアユースの石垣博監督による「ジュニア年代から身につけておきたいスキルと個人戦術」の指導を公開中だ。後編では「パス&コントロールとポゼッションのトレーニング」をテーマに、技術と判断を同時に高めるトレーニング法をレポートしたい。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2020年2月18日掲載記事より転載)

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パス&コントロールは、体を進行方向に向けてボールと一緒に移動する

動画後編のトレーニングは、大きく分けて2つ。1つが「パス&コントロール」。もう1つが「2対2(3対3)+2サーバー」だ。石垣監督は「パス&コントロールでは、相手がどこからアプローチしてくるかによってコントロールを変えること。2対2(3対3)+2サーバーでは、ボールを失わずに保持するための受け方、立ち位置、ボール移動中に次の準備をすることを目的にします」と説明し、トレーニングに取り掛かった。

1つ目の「パス&コントロール」は選手が四角形の角に立ち、パスを受けてドリブルし、次の味方にボールをパスするという流れだ。

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石垣監督は「パスは右足につける。ワンタッチで次のマーカーに近づく。体を進行方向に向けて、ボールと一緒に移動する」とポイントを伝えていく。

選手のプレーを見ながら「パスとコントロールの練習なので、パスの出し手が適当に蹴るとコントロールの練習にならないよ」と指摘。「仲間に前へ行かせるためのパスを出そう」とアドバイスを送っていた。

動き方に慣れたところで、パスの出し手が守備役になり、ボールを受けた選手の進行方向を限定する動きを加えていく。そして、ボールを受けた選手は縦に持ち出して、斜め前の選手にパスをする。

石垣監督は「縦を切られたから、中にコントロールする。でも、パスの出し手(守備役)が縦を消していなかったら、縦に行く。それがサッカーだよ。優先順位は前と横のどっち? 前に行く準備をしよう」と、相手を観てプレーすることの重要性を説いていく。

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さらにはパスを出した選手(守備側)に対して、中を切っておいて、攻撃側に縦に行かせてアプローチすること。攻撃側はワンタッチで守備側をかわすことなど、実戦に近い状況下でアドバイスを送っていった。

また、両足を使ってプレーすることにも言及し、「苦手な左足でも、ファーストタッチを強めにやろう。ボールが前に行き過ぎたら、タッチを弱くして調節しよう」と、技術面の指導も加えていく。

ボールを持っていない選手はサイドに広がって味方のパスコースを作る

2つ目のトレーニングは「2対2+サーバー」。

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同じ色のビブス同士でボールを保持し、角にいる同じ色の選手にパスをしながらボールを保持する。角の選手にボールを渡したら、その選手と入れ替わるというルールだ。

石垣監督は、このトレーニングのポイントを「ボールの移動中に良い立ち位置をとること」「仲間や相手の状況を見て、ファーストタッチの置所を決めること」と説明。さらに「ボールを失わないことが大事。ボールを持っていない人は広がろう。そこでボールを受けたら、さっきの練習でやったコントロールをしよう」と、先程のトレーニングで繰り返した動きを、実践の中でトライさせていく。

途中から人数を増やして3対3にし、難易度を上げる。そこで石垣コーチは「グリッドの中は窮屈になったけど、やることは同じだよ」とアドバイス。人数が増えたので、パス1本で局面を打開することは難しく、2人、3人と連動したプレーが必要になる。

「パスを出す人と受ける人。そしてもう1人が関わろう。行きたい方向へ行けなかったら戻してもいいよ。前だけに急がないこと」

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1人目が2人目にパスを出すと同時に、3人目が動き出して関わることで、相手より先手を取ったプレーができるようになる。そのあたりは、ぜひ動画で確認してほしい。

トレーニングの最後に、石垣監督がCOACH UNITED ACADEMY読者に向けて、メッセージをくれた。

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「小学生の段階では、正確に足元にボールを止めること。そして、相手の動きによってコントロールを変える技術を習得させたいと思っています。ポゼッションでは相手から離れることによって起こるメリットと、ボールの移動中にポジションを取り直すことを意識させ、トレーニングを行いました。今回紹介したトレーニングは、狭いスペースでも実戦できるので、ぜひ活用してみてください」

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【講師】石垣博/
18歳から指導に携わりスポーツ少年団での監督、宮城県のU-12年代の地区トレセン・県トレセンなどでも監督を務める。ジュニアユース年代ではFC FRESCAでの監督経験を経て、2005年より現在のFCみやぎバルセロナの監督に就任し15年目を迎える(2011年からは女子チームも立ち上げる)。また、宮城県サッカー協会 指導部 サブチーフインストラクター(47FA C級D級インストラクター)も務めている。

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文/鈴木智之

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