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テクニック

スピード勝負にならないように!ジェフ千葉コーチが教える状況判断とボールコントロールを磨く練習法

公開:2022年3月18日 更新:2022年10月17日

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、U-8やU-10など、サッカーと出会ったばかりの子どもを指導する際の参考になるトレーニング動画を多数配信中だ。

前回より、ジュニア年代からアプローチしたい「判断力」をテーマに、ジェフ千葉で長く育成年代に携わる河野太郎コーチのトレーニングを公開中。今回は「相手のプレッシャーを回避するドリブル練習法」「見て判断してプレーする事を習慣化する」をテーマにした動画をお届けしたい(文・鈴木智之)

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左右にボールを持ち出せる体勢を作り、相手から遠くにボールを運ぶ

「U10年代で身に付けたい、ボールを失わないスキルを伸ばすトレーニング」。動画3は「相手のプレッシャーを回避するドリブル練習法」をテーマに「1対1のドリブル鬼ごっこ」を実施。

設定としては2人1組のペアを作り、互いにボールを持った状態で、エリア内でドリブル鬼ごっこを行う。(鬼は時間で交代する)

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河野コーチは「相手からできるだけ遠い場所に逃げよう」と話し、「前にボールを出すドリブルをすると相手に近寄ってしまうので、前にボールを出さないようにコントロールしよう」とアドバイス。

また、相手に背中を見せて逃げるのではなく、相手に対して体をオープンに開き(つま先、肩を相手に向ける=基本フォーム)、自分の左右にボールを運びやすい状況を作ることがポイントだ。

河野コーチは途中で「これまでのトレーニングでは、エリアの中で一番遠くに行くことができていたよね。今回はなぜできなくなったんだろう?」と問いかけ、子どもたちから「ボールがコントロールできていないから」という答えを引き出すと、「相手に近づかないように、ボールをコントロールしたほうがいいよね」と話し、基本フォームを作ることで、相手から遠いところにボールをコントロールできることを伝えていった。

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子どもたちは、前に敵がいると"抜く"という考えを持ちやすい。その結果、自分から相手のプレッシャーを受けに行く状況が見られるので、相手に突っ込まず、離れるという考えを持たせるのも、このトレーニングの狙いのひとつだ。

常に見て情報を取得し予測する事が大切

動画4のテーマは「見て判断してプレーする事を習慣化する」。グリッド内で複数人での鬼ごっこを実施し、見て判断することにアプローチしていく。

鬼は1人のみで、タッチされたら交代。グリッドの四隅に「不死身ゾーン」を設け、そこにいるときは鬼にタッチされないというルールだ。

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このトレーニングの狙いは「狭いエリアの中で、常に状況を確認して行動すること」。周囲の状況を見てプレーすることはもちろん、先を予測して行動することも求められる。

動画3と同様に「相手から遠い場所へ逃げる」ことを目的に、周囲を見ながら動き、スピード勝負ではなく、常に判断して鬼から距離を取ることで、余裕をもって移動できるように仕向けていく。

河野コーチは「何を見たほうがいい?」と問いかけ「鬼、不死身ゾーン、仲間、エリアを見ながら、鬼から遠くで逃げられるようにしよう」と声をかけていく。

さらには「どこが空いているか。見えていたら選べる。情報をとったら考えられるよ。1対1でスピード勝負にならないようにしよう」「自分の後ろは見えてる?」などとアドバイスし、不死身ゾーンにいる選手に対して、別の選手が来たときに、「いつ移動するか」をレクチャー。

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「いつ不死身ゾーンから出たほうがいいと思う?」と問いかけ、「仲間が来る素振りを見せたら、どこう(スペースを空ける)」と実演していった。

そして「みんなで同じことを考えよう。味方が来たことがわかれば、どくことができるよね。そのために周りを見て、情報をとることが大事になるよ」とアドバイスしていく。

鬼にタッチされないためには、鬼が遠くにいるときに、どうすればいいかを考えることが重要だ。そのためには、常に鬼を見ること。鬼が来てから「やばい」と動くのではなく、常に自分の動きを選べるようにしたい。

河野コーチは「早く見ると、プレーを選べる。鬼に追われてからスタートするのでは遅いよ」「ジョギングで鬼ごっこできるように、周りを見て判断しよう。見えていないと動きを選べないからね」と、子どもたちの動きとシンクロしながら声をかけ、トレーニングの密度を高めていった。

今回紹介したトレーニングは運動強度が高く、技術に加えて判断にもアプローチすることができる。ぜひこのトレーニングを実施し、子どもたちの成長につなげていただければと思う。

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【講師】河野太郎/
高校卒業後、ジェフユナイテッド市原・千葉の前身である市原SCに入団。2000年にチームの主将に就任し、チームをJFL昇格まで率い、2007年に引退。
その後指導者の道に進み、2010年からジェフユナイテッド市原・千葉のスクールコーチとなる。普及ダイレクターを経て、今現在は社会連携活動グループマネージャーとして、幼児、小学生の指導とスタッフの育成、また、地域の指導者との交流(指導者講習会)など、クラブの普及を行っている。
市原SCから含めて23年間、選手、指導者でジェフユナイテッド市原・千葉に所属。

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