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子どものお団子サッカーを解消するには?「味方をサポートするポジショニング」の習得

公開:2022年7月19日 更新:2023年11月16日

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、指導経験の浅いコーチに向けて「U8から取り組める、ポジショニングとパス交換の基準を学ぶトレーニング」を配信中だ。

過去2回に渡り、蹴和サッカースクール代表の上田原剛コーチに、サッカーを始めたばかりの子供を指導する際の課題となる「お団子サッカーの解消」についてトレーニングを実施してもらった。

今回は「味方のサポートに必要な、下がってボールを受けるパス&コントロールの練習法」「4対1のボール回しで、パスの優先順位とポジショニングの状況判断を磨く」の2本をお届けしたい。子供のサッカーを指導しているものの、いつもお団子サッカーになっているので解消したい、といったコーチはぜひ参考にしてください。(文・鈴木智之)

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相手のプレスを回避するための味方へのサポートとボールの受け方

前回までの動画では「お団子サッカーの解消」をテーマに、『止まって受ける』『離れて受ける』に取り組んだ。今回は『下がって受ける』をポイントにトレーニングを進めていく。

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まずは四角形に選手を配置し、パストレーニングからスタート。開始時に上田原コーチは「どういう状況だから、下がって受けるかを言える人?」と、子どもたちに投げかける。

そこで、ある子どもから「仲間(ボール保持者)にプレッシャーがかかっているから」という答えが返ってくる。

ボール保持者が前方からプレッシャーを受けた状態では、パスコースは横に限定される。そのため、左右にいる選手は下がってパスコースを作り、プレッシャーを受けている味方を助ける動きをしたい。

トレーニングでは、ボールを保持している選手がボールをコントロールした瞬間、パスの受け手が下がってボールを受ける動きを繰り返していく。

ボールを受ける際に軸足を抜き、体を反転させてオープンに止める

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上田原コーチはボール保持者に対して「何でもできる場所にボールを止めよう」と伝え、受け手の選手に対しては「味方がボールを止めたら下がろう」「下がってもらうときに、周りを見ることにチャレンジしてみて」などの声をかけていた。

パスを出すときにポイントになるのが、下がって受ける選手に対して、強すぎないボールを出すこと。上田原コーチは「下がって受ける人には、ゆっくりのボールでいいので前にボールを出そう。それと、背中側にボールを出さないようにしよう」とポイントを伝えていった。

このように、子どもたちに対してどのような声をどのタイミングでかけていくのか、といった点は多くのコーチにとって参考となるだろう。

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さらには、ボールを受けて前を向くために、軸足を抜いて体の向きを変える方法をデモンストレーション。スピードに緩急をつけてボールを受ける方法もレクチャーしているので、動画で確認してほしい。

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目的とプレーの優先順位を意識して行うパス回しのトレーニング

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続いては「4対1のボール回しで、パスの優先順位とポジショニングの状況判断を磨く」トレーニング。

ここでのポイントは四隅のコーンの中間地点にフラットマーカーを配置し、「パスを出した選手は、マーカーに戻ってから次のプレーに移る」というルールにすること。そうすることで、ボールに寄りすぎない=お団子サッカーの解消につなげていく。

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上田原コーチはマーカーに戻ることについて「左右どちらにも動きやすいから」と説明。「ボールの状況を見て、味方に寄ると離れるをやってみよう」と声をかけていった。

続いて、パスの出し方をアドバイス。「ディフェンスが来た時は、ボールを止めた方がいい?止めないほうがいい?」と問いかけ「相手が来ている時はワンタッチが有効。使い分けよう」とレクチャーしていく。

さらには、パスの優先順位にも言及。4対1の状況を試合と仮定すると、ボール保持者の左右ではなく、前方の選手にパスを出すことが得策だ。

ただし、守備側も前方からボールを奪いに来るため、正面にパスを出そうとしてもコースがなく、奪われてしまう。

そこで重要なのが、味方からボールを受けるために下がり、前方のDFを外した状態でパスを受けること。その動きと連動し、次にパスを受ける正面の選手は左右に動いてパスコースを作ることがポイントになる。

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上田原コーチは、ボールを受ける際の離れる動きをデモンストレーション。「試合でもそうやってパスコースを作るんだよ」と子どもたちに伝え、前方(正面)にパスを出せないときは、ボールが来た方と反対側のサイドに出そう」とパスの優先順位を教えていった。

最後は2チーム対抗で、どちらが先に10本パスをつなぐことができるかを競争し、トレーニングを締めくくった。2本の動画とも設定自体はシンプルだが、コーチングのポイントを絞り、重要なことを伝えていた。

子どもたちの試合でお団子サッカーになってしまうのは珍しいことではない。このお団子サッカーを解消するためには、現象を一つずつ紐解いて子供たちに説明することが大切だ。

上田原コーチのわかりやすいデモンストレーション、子どもたちに意識を向けさせ、ポイントを伝える際の声のかけ方など、多くの学びが得られる動画となっている。ぜひ繰り返し見て、お団子サッカー解消の参考にしていただければと思う。

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【講師】上田原剛/
15歳の時にジーコサッカーキャンプに参加、ジーコにスカウトされアントラーズユースへ入団、その後大学を経て指導者の道へ。CFZ(ブラジル)で指導者をスタート。2005年〜2021年までの15年間は鹿島アントラーズのアカデミーにて指導。茨城県トレセンU12、ナショナルトレセン(関東)U12担当。2021年4月に蹴和サッカースクールを立ち上げ現在は小中学生の指導にあたる。スクールのほか指導者育成活動(練習会や講義)を行い、2021年6月からスタートした「お父さんコーチ向け練習会」には既に150名以上の指導者が参加している。

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