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ゴールデンエイジで習得する連携と駆け引き!3人称(自分・味方・相手)でパス&コントロールを磨く練習法

公開:2022年10月20日

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、サッカーを始めたばかりのU-10からU-12年代を指導する際に参考になる、指導動画を多数配信している。

前回より、技術の習得に最適な時期と言われる「ゴールデンエイジ期」のトレーニングを紹介中。指導を実践してくれたのは、ボンフィンフットボールパークのダイレクターを務め、東京都キッズリーダーのチーフインストラクターや指導者養成に係る川村元雄コーチだ。

テーマは「ゴールデンエイジ期で取り組む、駆け引きと効率的な基礎技術の習得」。小学校中学年、高学年からサッカーを始めた経験の浅い子に対して、どのようなトレーニングを行うことで上達へ導いていくのだろうか? 豊富な指導経験を持つ、ベテラン指導者のトレーニング、声掛けの内容は必見だ。(文・鈴木智之)

この内容を動画で詳しく見る

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仲間とパスのタイミングを取りボールを繋ぐパス&コントロール

トレーニングのテーマは「ボール・仲間とタイミングを取るパス&コントロール」。基礎的な技術の向上に加え、味方のコントロールを見てボールを受ける位置を考えることや、味方と連携してパスを出すためのタイミングを図ること、ボールに強弱をつけることなど、自分とボールだけの関係性から、少しづつ抜け出すことを念頭に入れて行っていく。

トレーニングは「パス&コントロール」から。2人組になり、15m~20mの距離で向かい合い、様々なルールのもとでパス&コントロールを行う。

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まずはコーンの前でボールをコントロールをしてパスを出し、その後バックステップで下がり、コーンの前でコントロールをしてパスする動作を繰り返す。

川村コーチは「足のインサイドでボールを触り、軸足の少し前でボールを押し出すと、ボールが浮かないよ」と、基本的なことをていねいに教えていく。

次は、ボールをインサイドで止めた瞬間に、顔を上げることを意識させていく。ここでも川村コーチは、デモンストレーションを交えながら、わかりやすく解説していた。

続いて、コーンを三角形の位置に置き、頂点のコーンにボールを当てないようにコントロールして、蹴るプレーにトライ。遊びの要素を加えることで、楽しみながら技術を高めることができる設定が秀逸だ。

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また、コーチに教わらなくても、自然と斜め前にコントロールをしてボールを蹴る動作が頻出するので、トレーニング効果も見込める内容になっている。

さらには、自分が進みたい方向へボールをコントロールして蹴ること、受け手はどのコースにボールが来そうかを予測し、移動することにもアプローチしていった。

ここからは、4人組で実施。それぞれ2人組になって向かい合い、横にいる選手が「ヘイ!」と声をかけたら、横の味方にパスをし、横の選手はダイレクトで蹴る。(声がかからないときは、正面にいる選手へパスをする)。

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川村コーチは「どこにいたら、前の2人を見ることができて、ボールも蹴りやすい?」と質問。

「ボール保持者の後ろか真横か前か。それを自分で確認しながらやろう」と、良い体の向きを伝えていく。また、説明をしすぎず、活動量を多く確保しているところもポイントだ。

オフザボールで相手と駆け引きするパス&コントロール

2つ目の動画は「駆け引きするパス&コントロール」をテーマに実施。川村コーチは、トレーニングの狙いを、次のように説明する。

「いままで取り組んできたトレーニングのまとめとして、相手がいる中でどうボールを引き出すか、受けるか。自信を持って、自分から動き出すことをトレーニングしていきます。足元でボールを受けたり、空いているスペースに狙って動いたり、自分がほしいところを要求していきます。パスを出す方は、味方の動きをしっかり見て出す習慣を身につけていきます」

このトレーニングでは、グリッド内に2人、外に4人を配置してスタート。グリッド内の2人はそれぞれボールを1個ずつ持ち、外にいる4人のうちの誰かにパスをする。パスを受けた選手はドリブルでグリッド内に入り、最初にグリッド内にいて、パスを出した選手は外に出る。その動きを繰り返していく。(ボールが常に2個動いている状態を作る)。

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川村コーチは「最後まで、味方を見てボールを蹴ろう」と話し、「止まってボールを弾いて追いかけるのではなく、触る足でボールを迎えに行き、コントロールして蹴る」動作をデモンストレーションを交えて伝えていった。

次に、中の選手が外の選手にパスをするとき、左右の空いているスペースにパスを出すというルールにチェンジ。味方が右に動いたら右足、左に動いたら左足にパスを出すことを意識させていく。

「自分のところにボールが来そうだなと思ったら、左右に動くよ」「最後まで味方をよく見て蹴ろう」(川村コーチ)

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次は、外の選手がボールを1人1個持ち、中の選手は攻撃側と守備側に分かれた状態でスタート。攻撃側は守備側にインターセプトされないように駆け引きをして、外にいる選手からパスを呼び込み、パスを出した選手にボールを返せば1点となる。

「15秒間のうち、2回ボールを受けて返すことができれば攻撃側の勝ち」というルールでスタートし、「相手を観ながら移動して、ボールを触るときに一番動けるように。外の4人はぎりぎりまでパスを出すのを我慢しよう」とアドバイスを送っていく。

動画では、外の味方とマーカーの両方を見ることのできる体の向きを作り、マーカーを誘導して逆を突き、ボールを受ける動作を指導している。わかりやすい指導内容は必見だ。

最後に、川村コーチからのメッセージを紹介したい。

「今回はサッカーを始めた時期が遅い、中学年、高学年向けに練習を組みました。常に動き続けた中でプレーする、より良いものを反復しながらプレーするには、人数とスペースの工夫が必要になります。やった! うまくできた! 次はこうしてみよう!という子どもたちの声がたくさん出る現場を目指して、今日もピッチに向かっていきましょう!」

メニュー設定、雰囲気づくり、アドバイスの内容など、参考になるものばかりなので、サッカーを始めたばかりの子どもや、サッカー経験の浅い子を指導するコーチはぜひご覧いただければと思う。

ベテラン指導者による「指導のツボ」を抑えたトレーニングから、多くの学びを得ることができるだろう。

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【講師】川村元雄/
4年間の体育講師(幼児教育)を経て、現在の徳島ヴォルティス、JFA四国担当、FC東京で普及部長を務めた。現在はボンフィンフットボールパークにてフットボールダイレクターとして地域のサッカーの普及育成に携わりながら、、指導者養成に係り、日本サッカー協会100周年記念事業においては特別功労者表彰を受賞。

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