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テクニック

アウトサイドのタッチは相手を惑わせてプレーの精度を高める。ファナティコスのシュートまで持ち込む練習法

公開:2022年10月28日

サッカー指導者のためのオンラインセミナーCOACH UNITED ACADEMYでは、昨年の「第45回全日本U-12サッカー選手権大会」でベスト8に入るなど、群馬県の強豪として、全国的に有名なファナティコスU-12の山本諒コーチによる「ドリブルやプレースピードを速める、アウトサイドを使ったトレーニング」を公開中だ。

スペースや時間がない中でも、効果的にフィニッシュに持ち込むための「アウトサイドの使い方」にフォーカスし、子どもたちに「技術の引き出し」を身につけさせるトレーニングを紹介したい。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2022年7月4日掲載記事より転載)

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インサイドでボールを止めると前に流れるため、アウトサイドを使う

ファナティコスU-12の山本諒コーチによる「アウトサイドを使った、フィニッシュに持ち込む練習法」。後編最初のトレーニングは「ランニング→シュート」からスタート。

ゴールより15m離れた位置から始め、シュート役が味方にパスを出し、コーンの外側を回ってボールを受けて、シュートを打つ。

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ここで山本コーチが強調したのが、シュート役がパスを受ける際に「アウトサイドでボールに触る」こと。

「インサイドでボールを止めると前に流れてしまうので、右側からボールが来たら、右足のアウトサイドでボールに触ることを心がけよう」

また、シュート役はボールを受けるため、コーンの外側を回るのだが、「ボールではなくゴールを見る」ようにアドバイス。サッカーの目的である「ゴールを奪うこと」に対して意識付けをしていく。

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続いて、スルーパスにも言及。「良いスルーパスって、誰が出てくるパス?」と質問をし、子どもたちから「GKが出てくるパス」という答えが返ってくる。

「そうだね。スルーパスを出すときは、GKを誘い出すために、右利きの選手はインサイドを使って、巻き気味のボールを出そう」

このあたりの細かいディテールは非常に参考になる。日々のコーチングで取り入れたい部分だ。

最初の設定では、ゴールの左側からシュートを打っていたが、次はゴール右側からシュートを実施。パス役に右利きの選手が多いことから、アウトサイドパスの蹴り方をレクチャーしていく。

具体的な蹴り方として、右利きの選手が、右前方にいる味方にアウトサイドでパスを出すときは、体ごとボールの方向に動かすことで、ボールに回転をかけることができる。このデモンストレーションは動画で確認してほしい。

パスを受ける時にアウトサイドでターンをすると選択肢が増える

2つ目のトレーニングは「股を通してからの1対1」。ゴールより20m離れた位置で行い、守備側とパス交換をし、攻撃側が守備側の股にボールを通して1対1がスタートする。

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山本コーチは攻撃側の選手に対し、「守備側の股にボールを通したとき、アウトサイドでボールに触り、DFの前に入ろう。ドリブルをしながらGKをずらし、シュートコースを作ることを意識してやってみよう」とアドバイスを送っていく。

試合中、GKと1対1の場面で、アウトサイドでボールを持ち出し、シュートに持ち込むことがある。その際、アウトサイドでボールにタッチするドリブルをし、GKをずらしてシュートの角度やコースを作ることがポイントだ。それをトレーニングしていく。

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3つ目のトレーニングは「2対2」。ゴール前20mの距離で実施し、攻撃が守備側にパスを出し、リターンを受けてからスタートする。

山本コーチは「攻撃はアウトサイドのドリブル、ボールの置き場所を意識して、フィニッシュやスルーパスを狙おう。守備はチャレンジ&カバーをはっきりすること」と話し、プレーを途中で止め、ある選手がインサイドで切り替えした場面をクローズアップ。

「相手が寄せてきたときに、腕で相手を抑えて、アウトサイドでターンすると、パスコースが増える。アウトサイドを使って、相手にボールを見せない持ち方をしよう」と実演を交えて指導していった。

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後編のトレーニングは以上で終了。動画全体を通して、ファナティコスの選手たちの、高い技術を見ることができる。全国レベルの技術はどのようなものかを知る上でも、参考になること間違いなしだ。

最後に山本コーチは次のように話し、トレーニングを締めくくった。

「アウトサイドでボールを触ることで、相手の逆をとることや、相手のスピードを遅らせること、良い状態でシュートを打つことができます。アウトサイドのトレーニングをすることで、プレーの幅が広がるので、ぜひ参考にしてみてください」

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【講師】山本諒/
1999年5月31日生まれ。ジュニア時代の6年間、ファナティコスに所属し、小柏剛(北海道コンサドーレ札幌)や奥抜侃志(大宮アルディージャ)とともにプレーした。高校卒業後にOBであるファナティコスで指導者としてのキャリアをスタートさせ、現在5年目を迎える。

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