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テクニック

楽しく守備の個人戦術を磨くトレーニング!サッカーの守備における練習メニューを紹介

公開:2022年11月 3日 更新:2023年11月16日

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、サッカーを始めたばかりのジュニア年代を指導する際に参考になる、指導動画を多数配信している。

サッカーをする上で、重要なスキルともいえるのが守備だ。相手のボールを奪うことで攻撃に転じることができるとともに、ピンチを防ぐことにつながる。

今回は、サッカーを始めたばかりのU-8やU-10年代の子どもに「ボールを奪う」という守備の感覚をつかんでもらうため、AC長野パルセイロ普及ダイレクターの貝瀬剛氏に「恐怖心を取り除きながら、ボールの奪い方を学ぶ、守備のトレーニング」を実施してもらった。

U-8やU-10年代を見ていると、相手に飛び込んで簡単にかわされたり、相手を待って守備を行ったり、ステップが踏めずに相手についていけない現象が起こりやすい。それらを改善するために、鬼ごっこの要素の中でトレーニングしていく。どのような練習メニューなのか、どのようにトレーニングを進めていくのか、ぜひ参考にしてもらいたい。(文・鈴木智之)

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守備における「相手との距離感」と「コースを限定」する練習

最初のテーマは「相手との距離感とプレッシャーのかけ方」。貝瀬氏は「相手からボールを奪うために、待つのではなく、相手が自由にプレーできない距離まで寄せて、プレッシャーをかける中でボールを奪い取り、攻撃へつなげることを意識させます」と話し、トレーニングに移っていった。

練習メニューは「両手タッチDF(ライン突破)」。オフェンスとディフェンスが向かい合った状態でスタートし、オフェンスはディフェンスに両手でタッチされないように、背後のラインまで走って到達すれば勝ちとなる。

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貝瀬氏は「怖がらず、積極的に行こう」と声をかけ、子どもたちの様子を見ながら「両手で相手にタッチするのと、片手でタッチするのでは、触れる範囲が違うよね? 両手の方が、相手により近づかないといけないので、相手に触れるところまで、積極的に前に出よう」と距離感についてアドバイスを送っていく。

ほかにも「前に、前に」「(距離を)詰めていこう」など、守備におけるポイントとなる情報を伝えることで、より良いプレーに導いていった。

さらには「相手が嫌がることはなんだろう?」と投げかけ、相手を困らせる方法をデモンストレーション。「相手を狭い方へ追い込んでいこう」と、トレーニングのポイントわかりやすく伝えているので、ぜひ動画で確認してほしい。

続いては、スタート位置を移動して、お互いの距離を離した状態でプレーをスタート。その状況で「どうすれば、相手に突破されないか」を考えながら実行させていく。

貝瀬氏は「相手を追い込めたらタッチできるよ。どうすれば追い込むことができる?」と声をかけるとともに、「相手との距離が広くなったことで、どんな困ったことが起きた?」と尋ねていく。

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ここでは、勢いよく前に出すぎて、相手にかわされやすくなることが多かったことから、「まずは相手との距離を詰めて、一発で行くのではなく、相手を追い込む」「足をたくさん動かして、相手についていけるようにしよう」とデモンストレーションをしながらトレーニングを説明していった。

貝瀬氏の言葉の明快さ、動きのわかりやすさは、U-8やU-10年代の子どもを担当するサッカーコーチにとって、真似して取り入れてほしい部分だ。

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相手が嫌がる事を意識する!体を寄せて相手を追い込み自由を奪う

2つ目のトレーニング、テーマは「相手の自由を奪う守備」。

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貝瀬氏は「このトレーニングは、グリッド内でプレーするので、プレーエリアの制限があります。ディフェンス側は、相手に体を寄せて前向きにプレーさせないように意識させること。ボールを持っている選手はボールを守りながらも、前向きになること」をポイントして挙げる。

まずは狭いグリッドで1対1をし、その後、広いグリッドで行う。トレーニングの開始前に、貝瀬氏は「攻撃側はボールを守り、広い場所をみつけて、前向きに動いていこう。守備側は積極的にボールを奪いに行こう」と声をかけてスタート。

トレーニング中、攻撃側には「ボールを相手から隠すこと、前を向いてボールを移動させることが大事」とポイントを絞って伝え、守備側には「足でボールを突くのではなく、体を当ててボールを奪いに行くこと」の重要性を説いていく。

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グリッドの外にボールが出ると、相手ボールになってしまうので、足でボールを突くディフェンスは得策ではない。このように設定を工夫することで「足でボールを突くのではなく、相手との距離を詰め、体を当ててボールを奪いに行く」というプレーが出やすくなっている。

攻撃側は、奪いに来る相手からボールを隠すこと、相手の状態を見て、広いスペースへドリブルでボールを運ぶことなど、技術と判断の両方にアプローチすることができる。

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今回、紹介した2つの練習メニューは、体を動かすことやボールコントロール技術に加え、認知・判断にも働きかけることができるものだ。

トレーニングを通して、守備や攻撃の基本的なポイントを学ぶことができるため、U-8やU-10の子どもたちを指導しているサッカーコーチは、練習メニューに取り入れていただければと思う。

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【講師】貝瀬剛/
滋賀FA キッズプロジェクト~滋賀女子U15TC コーチ/監督を経て、京都サンガF.C.で普及部チーフコーチを経験。
現在はAC 長野パルセイロ普及ダイレクターを務める。併せて長野県サッカー協会グラスルーツ委員会巡回担当責任者としても活動し、
キッズ・ジュニア年代のキッズフェスティバルやサッカースクールを開催しサッカーを通してスポーツ好きな子どもの育成に繋げている。

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鈴木智之

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