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ワールドカップで日本代表と対戦するドイツ。強豪国が育成年代で取り組むトレーニングや取り組みとは?

公開:2022年11月22日

ついにFIFAワールドカップカタール2022が開幕した。日本代表はドイツ、コスタリカ、スペインと同じ組になり、11月23日(水・祝)にはドイツと対戦する。

ドイツといえば、言わずと知れたサッカー大国だ。2014年のワールドカップで優勝し、バイエルン・ミュンヘンを始めとするクラブは、欧州サッカー界で大きな存在感を発揮している。

ドイツは育成大国としても有名で、ワールドカップのメンバーを見ても、バイエルンのジャマル・ムシアラ(19歳)、ドルトムントのユスファ・ムココ(17歳)など、若きタレントの台頭が目覚ましい。

はたして、世界トップレベルの選手を輩出するドイツの育成年代では、どのような指導が行われているのだろうか?「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』では、ドイツの育成年代に携わる指導者のトレーニングや理論を紹介しているので、この機会にぜひドイツの育成事情を探ってみてほしい。(文・鈴木智之)

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元1.FCケルンで育成部長が実践する「ドリブルトレーニング」

サッカー指導者を多数輩出することで有名な、ケルン体育大学で教鞭をとり、自身でもスクールを開校しているのが、クラウス・パブスト氏だ。

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ブンデスリーガの名門1.FCケルンで育成部長を務め、ドイツサッカー協会のU9、U10、U11、U15の育成プログラムを作成。ルーカス・ポドルスキなど、多数のブンデスリーガを指導した経験を持っている。

ボールコントロール技術に加えて、ライフキネティックを始めとする「観て、判断する」要素を取り入れた指導に定評のあるクラウス氏にスピードとテクニックを同時鍛えるドリブルトレーニングを実践してもらった。

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ほかにも、「1対2~発展2対2」など、実践を意識したトレーニングで、判断とプレーの精度を同時に鍛えていく様子も収録されている。親日家であり、日本人選手の特性をよく知るクラウス氏のトレーニングは一見の価値ありだ。

クラウス・パブスト氏の
トレーニングの詳細はこちら

ブレーメン出身の指導者が解説する「ドイツ流ボールを奪いに行く守備」

続いては、ドイツのヴェルダー・ブレーメンで指導者を務め、U-9監督、U-13コーチ、U-16コーチとして活動した経験を持つ、坂本健二氏の指導理論。

現場での指導だけでなく、ドイツサッカー協会が作成した指導DVDの日本語訳に携わるなど、ドイツサッカーに精通する坂本氏には「ボールを重視したゾーンディフェンスの正体を知ろう!」というテーマでセミナーをしてもらった。

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坂本氏はまず、マンツーマンとゾーンディフェンスの違いを話した上で「一般的なゾーンディフェンスは、グラウンドを分割して、どこに相手選手が来たら、誰がつかまえに行くということを明確にしていました。しかし、ドイツのボールを重視したゾーンディフェンスは、ボール(保持者)を起点とし、ボールを重視してディフェンスをします」と説明。

「ボールがサイドにあるときは、バナナの形になる」「ボール保持者に対する、ディフェンスの三角形の作り方」「ラインの上げ下げ」「4本の足でボールを奪う」といったキーワードで、わかりやすく解説している。

坂本氏は、相手を誘導し、ボールと相手の間に体を滑り込ませて奪う方法を「スライド」と表現していたが、そのためのポイントは次の3つだという。

(1)ボール保持者との間合い(距離)
(2)ボールとゴールの中心を結んだラインから少し斜めにずれたポジショニング(角度)
(3)守備側は下がりながら対応する(後退)

ここで強調したのが「相手の出方を見ながら動くのではない」ということ。

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「相手の動きにあわせて動くのではなく、マグネットの同じ極同士が反発し合うように、守備者のポジション取りでボール保持者を誘導してボールを奪い取ります」

動画ではこれらのポイントを具体的に解説している。ドイツ流の「ボールを奪いに行く守備」を知りたい指導者は、たくさんのヒントが得られるだろう。

ブレーメンで指導者を務めた
坂本健二氏のセミナーの詳細はこちら

「休養」に大切な3つの要素。サッカー大国ドイツの育成環境の実情

最後は、ドイツサッカー協会の公認A級ライセンスを持つ、中野吉之伴氏による「子どもの成長に、休養が必要な理由」「トレーニング環境」をテーマに行ったセミナーの様子を紹介したい。

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SCフライブルク、フライブルガーFCといったクラブで監督を歴任する中野氏。長く育成年代の指導に携わる中で、子どもが成長するためには「準備-実践-休養」のバランスが取れていなければならないと感じ、なかでも次の3つが大切だという。

1:バランスの取れた食事
2:十分な睡眠
3:ゆとりのある遊び

さらに「1週間における練習スケジュールも配慮されなければならない」と話し、「そうすることで、一回一回の練習や試合に集中して、本当の意味で全力で取り組むことができる」と付け加える。

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子どもたちはサッカーだけではなく、様々なスケジュールで忙しい。そんな中、適切な練習頻度を考えると、「週に2回、多くて3回の練習+週末に1試合というのが望ましいのではないだろうか」と話す。

その上で「練習時間が限られていることを考えると、ボールコントロール、基礎練習、リフティング、コーンドリブル、対面パスといったドリルトレーニングに時間を割くことは避けたい」などの提案もしているので、ぜひ動画で全容を確認し、トレーニング計画を立てる際の参考にしていただければと思う。

ドイツで育成年代の指導に携わる
中野吉之伴氏のセミナーの詳細はこちら
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