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ビギナーコーチが直ぐに取り組める!U8で「パス、ドリブルの使い分けができるボールの持ち方」を磨く練習法

公開:2024年2月 3日

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

今回のテーマは、低学年のときから意識させたい「パス、ドリブルの使い分けができるボールの持ち方」。講師を務めるのは、神奈川県の強豪・中野島FCのコーチを務める、岡本一輝氏だ。

中野島FCはセレクションがなく、主に小学校の校庭でトレーニングする環境ながら『アイリスオーヤマ 第7回プレミアリーグチャンピオンシップ』で全国優勝を達成。強豪ひしめく神奈川県において、Jクラブに肉薄する成績を残すなど、確かな指導で個とチームを成長に導いている。

川崎フロンターレのアカデミーで育ち、三笘薫や板倉滉、三好康児といった、プロ選手とともにプレーした岡本コーチによる、判断をともなう技術発揮を向上させるトレーニングは必見だ。(文・鈴木智之)

この内容を動画で詳しく見る

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スペースの認知、パス・ドリブルが使い分けられるボールの持ち方を磨く

最初の動画のテーマは「プレーを選ぶ為のボールの持ち方と観る力」。低学年の子は、勢いに任せてスピードを上げ、他の子とぶつかってしまう、あるいはボールを失ってしまうことが起こりがちだ。

そこで「ボールを運びながら、周囲を観てスペースを認知する」「パス、ドリブルの両方ができる位置にボールを置く」といったことをキーファクターに指導していく。

最初のトレーニングは「基礎トレ(4方向パス&ムーブメント)」。4色のコーンを2ペア(計8個)用意し、円を描くように配置する。選手はコーンの前にボールとともに立ち、同じ色のコーンへドリブルする(往復)。

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岡本コーチは「前の人は抜いていっていいけどぶつからないでね。できるだけ早くやろう」と声をかけて、トレーニングがスタートした。

設定上、子ども同士が入り乱れるので、ぶつからないように周りを見ることがポイントだ。ここで岡本コーチは「なんでぶつかっちゃった?」と質問をしながら「顔を上げていなかった」という答えを導いていく。

そこで「ボールだけを見ているとぶつかっちゃうから、目指すところを見て運ぼう」とデモンストレーション。問いかけと実演をバランスよく入れ、子どもたちの集中を切らさないように進めていく。

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さらには、前に相手がいる状態でかわすことができず、ぶつかってしまった場面を抽出。

「周りを観て、相手がいることはわかっていたけど、体とボールが離れてしまっていたので、避けられずにぶつかってしまったよね。ボールはプレーを選べるところに置こう」と、デモンストレーションを交えて説明していった。

次にコーンの色ごとにボールを1つにし、4人でパスorドリブルを使ってボールを動かしていく。

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岡本コーチは「スペースをみつけて、プレーを選べるところにボールを置けているかな」と声をかけていく。

ここでは、他のチームの人にボールをぶつけてしまった場面に注目。

「パスをすると決めると、ボールしか見なくなってしまう。人が来たのに気づかなくて、ぶつてけしまったよね。周りを観ながらボールを運んで、パスをしようとしたときに、人が来たら止めて、ドリブルでパスコースを作ろう」

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岡本コーチのわかりやすい説明により、子どもたちのプレーが向上していく。続いて、パスの出し方にも言及。

「パスをする相手は味方だよ。チームなので、プレーしやすいパスを出してあげよう。近くにいる味方に強いパスを出すとコントロールが大変。でも味方が遠くにいるときはゆっくりだと届かないので、強いパスを出そう」

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最後はパス15本つなぐというルールにして、競争形式にし、飽きっぽい子どもたちの集中力を保たせていった。

U8年代で身に付けておきたい2対1で磨く状況判断とプレー選択

2つ目のトレーニング。テーマは「 プレーが選べるボールの持ち方と状況判断」。「2対1(ライン突破)」を通じて、状況を観て判断し、ドリブルとパスを使い分けることについてアプローチしていく。

設定としては1対1+1フリーマンの形で、攻撃側がコーチからのパスを受けてスタート。フリーマンがいるので、実質2対1の状況でコンビネーションを使う、あるいはフリーマンをおとりに使いながらドリブルで突破を目指す。

守備側はボールを奪ったら、攻撃側の背後にあるコーン間をドリブルで突破する(守備側もフリーマンを使って良い)。

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岡本コーチは「できるだけ時間をかけずに突破するよ。実際の試合だと、相手が戻ってきてしまうからね」と話し、「フリーマンは相手の位置を観て、パスコースを作る動きをすること」や「足元に出すパスとスペースに出すパスの使い分け」にも言及。

低学年にもわかりやすい内容で「なぜそうしたほうがいいのか?」を説明していく。

中野島FCの子どもたちからは、上の学年になるにつれて、高いサッカー理解をベースにプレーする様子が伝わってくるが、それも今回のトレーニングのように、コーチがしっかりとサッカーに対する考え方を提示しているからだろう。

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動画では岡本コーチによる、理論的かつわかりやすいコーチングが余すことなく収録されている。低学年にもわかりやすいように伝える内容、雰囲気作りも含めて、参考になること間違いなしだ。

この内容を動画で詳しく見る

【講師】岡本一輝/
1996年1月28日生まれ。日本サッカー協会公認B級ライセンス保持。中野島FC、川崎フロンターレU-15、川崎フロンターレU-18、桐蔭横浜大学、Angkor Tiger FC(カンボジアプロ1部リーグ)でプレーし、2019年から中野島FCの監督に就任し指導者としてのキャリアをスタート。2022年夏に行われた「アイリスオーヤマ第7回プレミアリーグチャンピオンシップ」でクラブ初となる全国大会優勝を達成した。

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