「練習ではストレスをかけて、試合ではリラックスさせることを心がけています。試合で怒鳴るということは、僕ら指導者の準備不足が露呈しているようなものです。
僕は選手のとき、ベンチから『修正しろ!』といわれても『ここで修正できるなら始めっからすごい選手になっとるわ!』と思っているタイプでしたし(笑)。実際、試合中に指示は耳に入らないものです。指示を冷静に聴けるのもハーフタイムくらい。それも興奮しているときは耳に入らないものですから。
逆にベンチの指示をいちいち聴いているようでは、いい選手になれないと思います。ピッチ内で選手同士が投げかけ合うレベルになることが必要ですね。ウチ(愛媛FCユース)はそこに達する準備や技術面ではまだ課題がありますが、練習ではドリルトレーニングをせず『相手はどのシステム?どういう形でボールを取りに来ている?』という投げかけを行うようにしています」
<続く>
石丸 清隆//
いしまる・きよたか
1973年10月30日・大阪府枚方市生まれ。中宮JSCで小学校2年生からサッカーを始め、中学・高校では枚方FCでテクニックを磨く。阪南大では95年・ユニバーシアード福岡大会で金メダルを獲得し、96年にアビスパ福岡へ加入。その後、福岡、京都、愛媛で11年間プレー。
京都時代には天皇杯を制し、2003・04年には主将を歴任。05年途中に加入した愛媛でもチームのJ2昇格に大きな働きを果たした。06年に現役を引退後、翌年から09年までは愛媛FCトップチームのコーチ、10年からは愛媛FCユースの監督を務め、同年に日本サッカー協会公認S級ライセンスも取得している。
取材・文・写真/寺下 友徳