8月も中旬、そろそろ夏休みで脳がなまっている頃ではありませんか? 「サッカーばかりして勉強をしない!」「宿題が終わらない!」とお嘆きのお父さん、お母さん。今日はサッカーではなく、夏休みでしばらくお休みしている子どもたちの頭の体操、発想力が身につく『アインシュタイン式論理脳ドリル』をご紹介します。 一見難しそうですが、要領さえわかれば頭の柔らかい子どもたちの方がどんどんといてしまうというこのドリル。親子でやれば5歳からできるそうなので、ぜひトライしてみてください。
■アインシュタインが考案した発想力を豊かにする論理脳ドリル
自分で考えるサッカーをするためには、考える力が必要です。様々な知識を身に付けることは大切ですが、子どもたちの発想力をより豊かにするにはどうやら知識だけでは足りないようです。"20世紀最大の物理学者"と呼ばれる大天才、アルベルト・アインシュタイン博士はこんな言葉を残しています。
『学校で学んだことをすべて忘れてしまったあとにもまだ残っているもの。それが教育というものだ』
一般相対性理論、特殊相対性理論がなんなのかはわからなくても、おどけた顔で舌を出すアインシュタイン博士の写真を思い浮かべる人は多いでしょう。今回紹介する『論理脳ドリル』はそのアインシュタイン博士が考案した論理的問題をもとに作られた考える力、発想力を鍛えるためのブレイン・パズルです。
簡単に言えば、このドリルは知識を詰め込むのではなく、自分で考えて答えを導き出す能力を引き出すように作られているのです。
元になった論理的問題は大人向けに作られたもので「世の中の98%の人は解けないだろう」とアインシュタイン博士自ら言っていたそうです。これをドリルにした「論理脳シリーズ」は累計35万部の大ヒット。今回ご紹介するのはシリーズに新たに加わった、子ども向けのドリルなのです。
百聞は一見にしかず。早速、問題を見ていきましょう。
■論理立てて空欄を埋めていこう
まずは下の表を見てください。
メロンを好きなのはどこの国ですか?というのが問題です。
この問題に対して6つのヒントが用意されています。
①スイス人はバナナが好き
②赤の家は緑の家の左どなり
③ドイツ人は真ん中
④マンゴー好きはバナナ好きのとなり
⑤イギリス人は紫の家
⑥緑の家は端
このままでまったく意味がわかりませんね。ここでヒントの意味を考えてしまうのはすでに発想の柔軟性を失っている証拠です。
このヒントを素直に右の表に当てはめていきましょう。
この段階で埋められそうなのは、③の「ドイツ人は真ん中」というヒントです。
次に②のヒントと⑥のヒントを組み合わせて考えてみましょう。赤の家は緑の家の左どなりで、緑の家は端にあります。
ヒント⑤では、イギリス人は紫の家といっていますから「家の色」であまっている枠に「紫」国籍の左端もの枠も「イギリス」で埋められることになります。
これで「国籍」の最後の枠がヒント①の「スイス人」で埋められ、好きなフルーツも「バナナ」と書き込めます。
ヒント④にあるように「マンゴー好き」は「バナナ好き」のとなりですから、「マンゴー」は「好きなフルーツ」の真ん中の枠に入ります。
さて、ここまで来ればもう大丈夫ですね。
メロンが好きなのは「イギリス人」ということになります。
このように一見ヒント自体にはつながりや意味がないように思えても、論理的思考を組み合わせて、段階を踏まえていかないと決して解けない。これが『アインシュタイン式論理脳ドリル』です。
■知識=技術 宝の持ち腐れにしないために
「メロンを好きなのはどこの国の人?」と質問されると、大人はついつい「メロンの生産量や消費量の多い国ってどこだっけ?」と知識に頼りがちですが、この論理脳ドリルは知識を求めるものではありません。様々な体験や経験から得られる知識はとても役立つものです。知識はないよりもあった方がいいでしょう。しかし、知識には限界があります。どんなに知識があっても、想像力や発想力がなければ、知識を適切に活かすことはできません。
知識はサッカーで言うと技術に似ています。どんなにすごいテクニックを持っていても、その使い所をわかっていなければ、技術をプレーに活かすことはできませんし、結果に結びつけることもできません。海外のトップクラブの選手や監督たちが日本人選手の技術を賞賛する一方で、必ずしもそれが試合での活躍につながらないというのも、技術の活かし方と無関係ではないのかもしれません。
「想像力は知識よりも大切だ」とアインシュタイン博士は言います。論理脳ドリルは知識の使い所を学ぶためのトレーニングです。こういう発想法を身に付けることはサッカーで考えてプレーすることと無縁ではありません。今日は例題を紹介しましたが、次回は問題を実際に解いていきましょう。
『考える力を伸ばす!アインシュタイン式子供の論理脳ドリル』
アルバート・アインシュタイン博士の論理的問題をもとに作られたブレイン・パズルが、子ども向けになって登場。知識の詰め込みではなく、考える力、発想力を育てる「脳のトレーニング」が楽しみながらできる。累計35万部の人気シリーズ。
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取材・文/大塚一樹 取材協力/東邦出版 写真/サカイク編集部(第37回全日本少年サッカー大会決勝大会より)